・シックハウス法で機械換気を義務付けるのはなぜ?2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日経BP社ECO JAPANより
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知識なく換気を止めると危険も… 温度差がなくても窓を開ければよいではないか……と感じた方。その通りです。

でも冷房した場合には窓は閉めますよね。

この状況では換気量を確保できないと考えなければいけません。

さらに、ホルムアルデヒドは室内温度が20℃くらいではあまり発散しませんが、28℃くらいから激しく発散するようになります。

暖かい季節の方が、注意が必要なのです。

 以上のことをまとめると、「冬は、ホルムアルデヒドが発散しにくく、自然換気量を確保しやすい。

夏は、ホルムアルデヒドが発散しやすく、冷房して窓を閉め切ると自然換気量も少ない」ということになります。

この結果、機械的な換気が義務付けられることになったのです。


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・図3 温度が高いとホルムアルデヒドの発散量が増える

 シックハウス法施行後の調査で、室内のホルムアルデヒド濃度はめざましく低下したことが確認されました。法は成果をみせたといえます。

 しかし、家のつくり手の中には化学物質と換気の関係についての十分な知識をもたいないまま、「法律だからしかたない」と対応しているケースがまだまだありそうです。

 法で義務付ければ「居住者や業者が無知でも最低限の安全はつくられる」という考え方もできます。

しかし、「換気って必要なの?」(施主)、「法律だからしかたなくつけている」(業者)、「電気代がもったいないわね」(施主)、「検査が終わったら運転しなければいいんですよ」(業者)……なんてことになると最悪です。


南 雄三(みなみ ゆうぞう)
住宅技術評論家

1949年東京生まれ。明治大学経営学部卒。住宅の省エネや環境にまつわる最先端の研究成果を、分かりやすく伝えるのを得意とする住宅技術評論家。断熱材メーカー在籍時に住宅業界と深くかかわる。住宅を手がける工務店にとっては、頼りになるコンサルタント。

若いころに世界50カ国を放浪した経験をもつ。

新宿にある自宅は、大正時代の古住宅を環境共生住宅に再生した実例として知られる。

主な著書は、「スラスラわかる断熱・気密のすべて」(日本実業出版)、「価値ある家は地力でつくる」「南雄三スケッチcafe」「資産になる家・負債になる家」(以上、建築技術)など多数。