これが化学物質汚染の実態だ!!2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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散乱するドラム缶発がん性物質も?
 廃棄物資源循環学会は震災から7日後にはタスクチームを組んで現地調査を始めたが、まだ結果はまとまっていない。

チームの一人、東北大学大学院の吉岡敏明教授は話す。
「有機塩素系物質の値が高いところが見つかっていますが、これは規制される前に使われていた有害な農薬が海に流れ込んで海底に蓄積していたものが、津波で運び込まれたと思われます。

今回の被災地にあるがれきは、阪神・淡路大震災のがれきと全く違います。

がれきに付着した汚泥を調べてからでないと、適切な処理ができないからです」
 情報が不足するなかで、NP0法人「Tウォッチ(有害化学物質削減ネットワーク)」は、被災地にあった工場がそれぞれどんな有害化学物質を扱っていたかを示した一覧表をホームページで公開している。

法律で、年間1トン以上の有害化学物質を扱う事業者は指定化学物質の排出や移動の報告義務があることから、工場や処理施設が公開している情報を基に作成した。
「各工場が保管していた量まではわからないが、津波の被害で、工場から有害物質が広く拡散した可能性があります。二次災害を防ぐためにも、環境汚染の危険性を認識してほしい」
 と、Tウォッチ理事の寺田良一・明治大学教授は訴える。
 同ホームページによると、岩手、宮城、福島各県の被災地には、カドミウムや六価クロムを扱い、ダイオキシンを排出した工場や廃棄物処理場などがそれぞれ33~43カ所ある。

顔料や電池の製造に使われるカドミウムは、人体に対して腎臓障害や発がん性がある。

クロムめっきに使われる六価クロムは急性皮膚炎や発がん性がある。様々な薬品の製造過程で発生するダイオキシンは、発がん性や奇形、生殖異常を引き起こすと指摘されている。
 Tウォッチ代表で熊本学園大学の中地重晴教授は、
「企業は工場から流れ出した有害物質を公表すべきだ。
住宅地などに流出したPCBやダイオキシンによる土壌汚染は万全の対策が必要だ。津波が引くとき、有害物質が海に引き込まれた可能性があり、懸念される」
 と指摘する。
 化学物質が流出したのは工場だけではない。

石巻市大門町の学校近くでは、災害支援の自衛隊が道路側溝の黒光りするドロドロの汚泥をすくい取っていた。
「コールタールに見えますが、下水処理場から流れてきた汚泥です」
 と、隊員は言う。

汚水を沈殿濾過する下水処理場には、ふだんから雑菌を含む汚泥が堆積している。

そんな汚泥が市街地に流出すれば、破傷風などの感染症が広がる心配がある。
 気仙沼市など三陸沿岸では、津波で打ち上げられた船舶が新たな脅威となりうる。

最近の大型船には船体にカーボン素材を使っているものがある。これが壊れたり、撤去のために解体するときに、特殊な炭素繊維が飛散して、アスベストのように肺に入り込んで突き刺さり、肺がんなどを誘発する危険性がある、と指摘する専門家もいるためだ。
 また、避難所の高齢者などに流行している呼吸器疾患に、汚泥が乾いて空中に浮遊した有害物質が関与しているのではないかとの疑念も出ている。

ある専門家は「浮遊する微粒子による呼吸器疾患や、微粒子に細菌が付着して肺炎を起こす可能性もある」と指摘する。