・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・毎日jp毎日新聞社
社説:放射能と健康 追跡調査を早く丁寧に
原発事故で自分や子どもがどれだけ放射線を浴びたのか。
今後も浴びる恐れがあるのか。
それが将来、健康にどう影響するのか。
東京電力福島第1原発の周辺に住む人々の大きな関心事だろう。
福島県は福島県立医大などと協力し、県民を対象とした健康追跡調査を実施することを決めた。
国も協力するという。
こうした追跡調査は、住民の不安に応え、長期にわたる健康管理を徹底するために不可欠だ。
今回のように低線量の被ばくが長く続く場合の健康影響を知る上でも欠かせない。
住民のプライバシーや心情に十分留意しつつ、丁寧な調査を早く進めてもらいたい。
事故が発生した当初、政府は「ただちに健康への影響はない」という言葉を繰り返した。
しかし、多くの住民が心配しているのは、将来の発がんのリスクである。
ところが、その心配に答える情報は十分に示されてこなかった。
たとえば、事故発生から数日の間に原発で爆発現象が相次いだ。
大量の放射性物質が放出され、特定の地域に多く降り注いだ。この時に住民がどれぐらい放射性物質を吸い込んだり浴びたりしたかは、よくわからない。
初期の爆発以降、原発からの放出は大幅に減ったものの、住民は地面に沈着した放射性物質から放射線を浴びてきた。
舞い上がる放射性物質による内部被ばくの恐れもある。
食品からの被ばくも無視はできない。