Q 発作止めの吸入のサルタノール、メプチンエアーなどはあまり使わない方がいいと聞いたが、苦しいときはどうすればいいのでしょうか。
「発作止めの吸入薬はできるだけ使わない方がいい」というのは正確な言い方ではなく、できるだけ使わないで済むような治療をしなければいけないということです。
ガイドラインでも1日3~4回となっていますが、それ以上使ってはいけないという意味ではなく、3~4回で済むように長期管理薬を調節しなさいということです。
ガイドラインで推奨している量を超えて使用するというのは喘息のコントロールが悪いと考えてください。
この量を超えるとすぐに副作用が出てくることはありません。
長期間多量に吸入していると、もともと心臓が悪かった人などには問題が出てくるかもしれませんがそういう人以外はあまり心配する必要はありません。
ただしこれらの薬には喘息の基本病態である気道炎症を抑える作用はありません。
むしろ炎症を悪化させるという研究結果もあります。
そのため気道過敏性が亢進して発作が起こりやすくなり、喘息死の一因ともなっている可能性もあります。
必ず抗炎症薬と併用してください。
Qイヌ、ネコにアレルギーがありますが子供の情操教育のためペットを飼いたい、どうすればいいでしょうか。
アレルギーの原因であるアレルゲンは避けることができるものであれば避けるのが一番です。
室内塵、ダニ、花粉は避けることができませんが、食物、ペットは気をつけていれば避けられます。
お子さんがまだアレルギーではないとしても、ご両親にアレルギーがれば出る可能性は高いと思われます。
犬、猫、ハムスター、ハツカネズミなどを飼って最初の半年、1年は大丈夫かもしれませんが、飼っているうちに過敏になる(感作されるといいます。)可能性は低くありません。
どうしても飼うなら、1週間に1度は石けんをつけてブラシで洗う、寝室に入れない、掃除をまめにする、犬なら室外犬にするなどの注意が必要です。
Q 喘息で麻酔薬は駄目といわれています。胃カメラの時の麻酔はどうですか。
胃カメラや抜歯の時などに使用する局所麻酔薬は過敏症を起こすことがありますが喘息だからといってその率が高くなるわけではありません。
今までに抜歯を安全に行えたのであれば問題ありません。
Q喘息は遺伝しますか。母親と父親のどちらの影響が強いでしょうか。
喘息そのものが遺伝するというわけではありませんが、感作を受けて何らかのアレルギー疾患になりやすい遺伝的素因はあります。
両親の影響は父親より母親の法が強いという研究もあります。
また遺伝とは関係ありませんが親が喫煙している家庭の方がアレルギーの子が多いという研究もあります。
Q ピークフロー値をはかり始めて1年半たち、最高値は350が480に、平均値は250が420に改善しましたが症状は改善されません。どうしてピークフロー値だけが良くなるのでしょうか。
ふつうはピークフロー値と自覚症状の改善は平行します。
違いの出る理由としては吹き方でカパッとくわえないで口をすぼめて吹くと実際より高くでます。
また姿勢が変わると値も変わります。
いつも同じ姿勢で、できれば立位でやってください。毎日やっているうちにやり方がうまくなって一見改善したように見える、ことなどが考えられます。
また最高値、平均値はよくなっても日内変動は良くなってないかもしれない、つまり朝の値はうんと低くてそれは改善していないかもしれない、そういう場合は喘息のコントロールは良くなっていません。
Q 病院で経口ステロイド薬をもらいましたが強さがよく分かりません。
いろいろな薬がありますが、1錠あたりの強さは同じになるように作られています。
どの薬も1錠がプレドニン換算で5mgの強さになります。
例外はメドロール2mgでメドロールは4mgがプレドニン5mgに相当します。
プレドニン1mgの錠剤も最近発売されました。
Q 体質改善法はありませんか。
体質改善という言葉が何を指すか難しいのですが、1つは減感作療法があります。
アレルゲンをごく薄い濃度からだんだん濃くしていって注射する方法で、室内塵、ダニ、花粉のアレルギーに効果があります。
ただ急速法もありますが、通常はとても時間がかかること(年単位)と100%の人に効くわけではないことで、最近の対症療法の進歩と相まってあまり施行されなくなっています。
専門施設では行っているので相談されるといいでしょう。
マラソンや水泳で良くなるかという質問もよくありますが、子供の喘息のようにそれで良くなることは難しいと思います。
今の医学では体質を完全に変えることはできません。