・3)玩具
①主な報告事例
◎事例1【原因製品:ボタン型電池】
患者: 11ヶ月 男児
症状: なし
誤飲時の状況: ゲームの蓋が開いていて、ボタン型電池がなくなっているのに気付いた。無症状だったが、夜になり心配になり受診。
来院前の処置: なし
受診までの時間: 6時間~12時間未満
処置及び経過: X線検査実施、摘出術
転帰: 帰宅(経過観察)
◎事例2【原因製品:プラスチック製の玩具】
患者: 2歳1ヶ月 男児
症状: 呼吸器症状(咳)
誤飲時の状況: 姉と遊んでいて、母親が目を離したすきに玩具を誤飲したらしい。
来院前の処置: なし
受診までの時間: 30分~1時間未満
処置及び経過: なし
転帰: 帰宅(経過観察)、排泄未確認
②考察
平成7年度における玩具に関する報告件数は34件(4.2%)であり、前年度25件(3.7%)より増加している。
年齢については、3~5歳児が11件(32%)で最も多く、次いで2歳児が9件であった。
玩具の誤飲事故の大半は、遊んでいたものを口に入れてしまった場合に発生している。
重篤な症状がみられた事例はなかったものの、玩具等に使用するボタン電池の誤飲事故にみられるように、正常な使用時においても、電池のフタが何らかの理由で開き、中の電池が簡単に取り出すことができたために起こっている事例もある。
製造物責任法の施行に伴い、様々な誤飲防止対策を施した玩具が販売されているが、特に口に入る大きさのもので子供が遊んでいるときには、誤飲する可能性が考えられることから、保護者は目を離さないように注意する必要がある。