家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告8 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2. 小児科

(1)平成7年度の動向

 ① 小児の誤飲事故の原因製品としては、「タバコ」が433件(54%)で最も多く、次いで「医薬品・医薬部外品」が92件(11%)、「玩具」が34件(4%)、「硬貨」が22件(3%)、「プラスチック・容器片」が19件(2%)であった(表4)。

平成7年度の報告件数上位10品目までの原因製品のうち、上位4品目の順位は前年度までと同様であり、そのうち上位2品目については、小児科のモニター報告が始まって以来変わっていない。

また、それ以外の原因製品においても、順位の変動はあるものの、第5位以下の6品目のなかに前年度と同じ品目が4品目含まれている。

② 平成7年度の報告件数上位10品目については、「タバコ」、「玩具」、「プラスチック・容器片」、「体温計」及び「乾燥剤」に関する報告の全報告件数に占める割合が、前年度より増加している。

一方、「医薬品・医薬部外品」、「硬貨」、「食品」、「化粧品」及び「電池」に関する報告は、その割合が減少している(表4)。

 ③ 上位品目の全報告件数に占める割合について、長期的な傾向をみると、「タバコ」の割合が増加傾向にあり、その他はほぼ横ばいとなっている(図2)。


(2)要因別の解析

① 発現症状については、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等の「消化器症状」が認められたものが78件(10%)と最も多く、次いで咳、喘鳴等の「呼吸器症状」が認められたものが33件(4%)となっている。

これらを含め、症状の発現がみられたものは全体で140件(17%)であった。事故後、摘出術等が必要であることから「入院」、「転科」及び「転院」となったものは24件であった。

それ以外で、転帰が不明以外のものは全て「帰宅」していることから、重篤な事例は少なかった。

② 誤飲時の保護者の処置としては、吐かせる、水を飲ませる等の応急処置を行った事例が346件(43%)あったが、その中には、水または牛乳を飲ませてはいけないと考えられる事例(タバコの葉または吸殻の誤飲時)で、水または牛乳を飲ませたり、吐かせてはいけない事例(灯油の誤飲時)で吐かせたという不適切な処置もあった。

③ 誤飲事故発生時刻については、435件(54%)が午後5時から午後11時の間に発生しており、さらに、このうち、357件(44%)が、夕食時をはさんだ団らんの時間帯である午後6時から午後10時の間に発生しており前年度と同様の結果であった。

この中で、「タバコ」の誤飲事故については、小児が起きている時間帯(午前7時~午後10時)でほぼ一定して発生している。

 また、タバコの誤飲事故発生曜日については、156件(36%)が、土曜日及び日曜日に発生しており、前年度と同様の結果であった。

④ 平成7年度の報告では、食品の誤嚥事故の報告が17件(2%)あったが、平成5年度に報告されたピーナッツの誤嚥事故のような死亡例はなかった。

⑤ 平成7年度の報告では、ミルクを日本酒に溶いて飲ませたり、漂白剤を含む水などに溶いて飲ませたといった保護者の過失による誤飲事故の報告がみられた。