家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2)洗剤

①主な報告事例

 ◎事例1【原因物質:洗濯用洗剤】


患者: 21歳 男性
症状: 小さい頃から湿疹あり、平成4年から悪化。ステロイド剤外用により皮疹は改善したが、中止により再び悪化した。
障害の種類: アトピー性皮膚炎の悪化(湿潤型手の湿疹)
推定原因物質: 洗濯用洗剤(パッチテスト結果:洗濯用洗剤(++)、塩化コバルト(±)、重クロム酸カリウム(±)、ボディーシャンプー(-)、薬用はみがき(-))
治療・処置: 抗アレルギー剤内服、ステロイド剤外用

 ◎事例2【原因物質:台所用洗剤】

患者: 63歳 女性
症状: 受診の数年前より手背から手指に落屑を伴う紅斑が出現。特に洗剤は変えていないが数カ月前より乾燥感が強くなった。
障害の種類: 手の湿疹(KTPP型)
推定原因物質: 台所用洗剤(パッチテストは実施していない)
治療・処置: ステロイド剤外用

②考察

 平成7年度における洗剤に関する報告件数は48件(18%)であり、前年度75件(24%)より減少している。

 原因製品が判明しているもののうち、原因製品別の内訳は、洗濯用洗剤が20件(このうち内容成分が判明しているものは17件で、すべて合成洗剤)、台所用洗剤が16件(このうち内容成分が判明しているものは14件で、すべて合成洗剤)であった。

 障害の種類は、湿潤型の手の湿疹が31%、刺激性皮膚炎及びKTPP型の手の湿疹がそれぞれ27%を占めている。

KTPP型手の湿疹は、前年度(51%)より減少している。

 症状の発現には、洗剤成分以外にも皮膚の状態、たわしの使用等による物理的刺激、洗剤の使用濃度、季節、水仕事の頻度等、様々な要因が複合的に関与しているものと考えられる。

 防止策としては、使用上の注意・表示をよく読み、希釈倍率に注意する等、正しい使用方法を守ることが必要である。

また、使用に際しては、保護手袋を着用することや、使用後保護クリームを塗ることなどの工夫も必要と思われる。