名大救急医療センター医師の質問に答えて3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・1、現在の危険エリア、即ち、内部被曝が想定されるエリアはどこか。

それは放射線量との関連で推測可能か。

具体的には、もし退避を検討したり、充分に注意するレベルは、μSv、mSvなどどのオーダーか。

内部被曝発症の先生の、学識から得られた閾値はだいたいどのあたりか。

現在でいうとどこか。東京は安全と言えるのか。

 20km~30kmを屋内待機地域にしていますが、風向きで大きく違います。

添付した意見書の図1にネバダの核実験の風下地域への放射性物質の流れが示されていますから、これで推察して下さい。

私は緊急に地震で破壊された線量測定器と風向計に代って原発周辺に線量測定器と風向計を多数配置してほしいとおもいます。

放射線の感受性は個人差が大きいのでこの線量以下では大丈夫という官房長官、保安院、マスコミの報道は正しくないと思います。

意見書にも書いたようにかつては「しきい値線量」という表現でこの線量以下では症状が一切発症しないという考え方がありましたが、これは正しくなく、現在では5%ないし10%の人が発症する被曝線量を「しきい値」と言っています。

次第に漏れだした放射性物質が増えて現在は原子炉周辺は最高400ミリシーベルトレベルになっています。

上空の自衛隊ヘリコプターで測定しているようですが、おそらく建屋の上部が破壊されたり穴があいている上空での値も何百ミリシーベルトレベルでヘリコプターがホバリングできない状態だとおもいます。

2、現在、内部被曝、外部被曝含め、どれくらいの方が被曝されているか。

また沢田先生のもとにはどのような情報が寄せられているか。

被曝の現状。

想定される症状。

こういう情報を原子力安全委員会が調査し公開すべきだと思いますが、総合する機能が働いているとは言えません。以下で測定結果が見れます。

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm

3、今後、医療活動を展開する際、
   ガイガーカウンターなどが必須か。どこまでは入ってよいか。

原発の近距離(福島県東部)で医療活動されるときは、周辺で測定が行われていて安全性を確認しながら行って下さい。

これ医師だけでなく周辺住民のためでもあります。

測定装置が簡単に入手できれば時折測定しながらということも考えられます。

4、内部被曝について勉強しようとすると、医者、物理学者では誰から学べば良いか。

どういう論文や書物、web sightを読めば良いか。

日本人、外国人を含めて。

 まだ医学的な研究は不十分です。

私が意見書に書いたような方法で得られた被ばく実態に基づく研究が期待されます。原爆症認定集団訴訟で活躍された齋藤紀医師(福島わたり病院で目下原発被災者を診療中)が最適です。

浜北診療所の聞間元医師(民医連の委員会の元代表)もやや詳しいと思います。

5、現在の福島原発の帰結はどこにあるのか。

今後の展開と、対処策は?現在はすでに制御不能の状態なのか。

a,これ以上の放射性物質の拡散の可能性とその影響

b,臨界状態←論理的に可能性はあるのか。

現在、出ている中性子はその予兆なのか。

もし核分裂反応を起こした際は、原子爆弾のようになるのか、なるとすれば、ヒロシマ ナガサキと比べて、どのような規模か。6基の原発すべてが臨界状態になるのか。


東京電力の福島第1原子力発電所、第2原子力発電所、東北電力の女川原子力発電所が地震と津波の被害を受けましたが、幸い冷却水供給が不能になったのが東電の福島第一原子力発電所だけでした。

福島第1の1号炉から3号炉は稼働中でしたが地震で核分裂の連鎖反応が停止した後、冷却水を送るすべての機能が不能になり、濃縮ウラン燃料棒(enriched uranium fuel rod)が水から露出して冷却できず燃料棒の表面を覆っていたジルコニウム(zirconium)金属が融け、水あるいは水蒸気の酸素を奪って酸化し、そのため残った水素が発生して爆発する深刻な事故になってしまいました。

点検で運転していなかった4号機から6号機までは原子炉から引き抜いた燃料棒を、同じ建屋のプール内に入れて冷却していましたが、連鎖反応がストップしても燃料棒内には大量の放射性物質(核分裂生成物fission products)が蓄積していて、放射線を出し続けており、この放射線のエネルギーで水の温度が上がり4号炉は水が蒸発して燃料棒が露出して高温になり火事が起こりました。

このプールは建屋内にありますが、圧力容器のように外部と遮断されていないために水による遮蔽が聞かないで放射性微粒子が大気中に放出されます。

そのため原子炉周辺に近づいて冷却水を注入する作業員(ヘリコプターの自衛隊員)は被曝を続けています。

もっとも怖れることは、壊れた燃料棒から外に出てきたウラン燃料が原子炉やプールの底に集まり、核分裂の連鎖反応を始めると、莫大なエネルギーが放出されて大爆発(未成熟な原爆の爆発)を起こすとチェルノブイリ事故のようなことになります。そうならないように注水が成功するよう願うばかりです。

6、医療人として、何が出来るか。治療、啓発活動。どういう治療をすれば良いか。

今もっとも被ばくしているのは冷却水を注入しようとして被ばく環境の中で取組んでいる作業員です。

個人差がありますがかなり長期間健康管理をして兆候を早期発見して適切な治療をすることだと思います。

これまで避難地域にいて身体の外で被曝線量が検出された人も要監視対象とすべきです。