・7、例えばマスクで放射性物質の吸入を防ごうと思うと、おそらく、医療用のN95を着用すべきか。
しかし、それでもμメートル以下の微粒子は入ってしまう。マスクをかけることが、発症予防に実効性があるのか、どうか。
微粒子も大きいほど直径の3乗に比例して放射性原子核を含んでいます。
5ミクロンより大きいと鼻毛に引っかかって肺胞まで達しないと言われていますが、ミクロンレベルでは肺胞の壁から血液に入ると言われています。
マスクは素の狭い範囲の大きさの放射性微粒子を防ぐだけです。マスクを濡らすとどのくらい効果がありますか?呼吸をしなければならないので宇宙服並みの装備が不可能となるとテの打ちようがなくなります。
8、基本的には、内部被曝と言えども、濃度と疾病罹患率、発症率の間には、正の相関はあるのか。
私の意見書に示されているように被爆距離により多少は被曝線量が変化しますが、いずれも内部被ばくです。
被曝線量により正規分布で発症率が増加します。
9、本日福島市内で水道から、ヨウ素とセシウムが検出されたが、この飲水は絶対に避けるべきなのか。
低濃度であれば、内部被曝の危険性は薄いと考えられるのか。
水源地がどこかですが、大量の水に含まれて拡散した結果が測定されたのだと思います。
水源地周辺には放射能測定装置を配置して監視してほしいと思います。
上流の監視を全部というのは難しいとしても知れませんが多数の市民の飲料水ですから、市民の中には放射線感受性の高い方もおられるので、水源地の管理は重要です。
10、今後、大気、土壌、水質の放射性物質による汚染が原発周囲を中心に残ると考えられるが、現在の福島原発それぞれの原発から放出されうる放射線物質の量の想定と、その場合、例えば、ヒロシマ原爆後の、放射線物質や残留放射線、チェルノブイリ後の放射線物質と比べて、さて、この関東圏、あるいは東日本には、人間や生き物が暮らすのが、許容されるレベルにおさまるのか、過去の被曝事例と比べて、どのような環境汚染レベルにおかれると想定されるのか。
未来に向かって、それはどの程度まで、改善すると考えられるのか。
広島や長崎も何十年もすめなくなると言われました。
しかし、8月に原爆が投下され、9月と10月に台風が襲い、台風の大雨などで放射性物質が流されて台風の後は急性症状の発症が急減しました。
これがチェルノブイリ事故の周辺地域の乾燥地帯との違いです。
放射繊維よる人体影響は、体内に取込んだ放射性原子核固有の物理学的半減期(たとえばセシウム137は30年)、体内に摂取して新陳代謝等を通じて体外に排出して半分になる生物学的半減期、それに環境中から飲食を通じて取り入れる量に関わって、雨風で減少していく環境半減期の3つの半減期で考えなくてはなりません。
セシウムの場合生物学的(生理的)半減期は約100日、長崎の西山地域は環境半減期が約7年だったとされています。
環境半減期は斜面とか湿地とか場所で大きく異なると思います。
11.今回想定させる核種は、主にヨウ素とセシウムだと思いますが、これらの内部被曝に関して、どの程度の低線量で被曝の可能性があるのか、CTより低線量だ、というようなプロパガンダのような解説が跋扈しております今日、具体的に皆に説明する基準があれば、と思っております。
核分裂生成物には数百種類の核種(原子番号と質量数、あるいは原子核を構成する陽子数と中性子数で決まる)が放出され、気体として広がりやすいのがヨウ素です。
CTなどによる被ばく(X戦外部被曝)と内部被ばくを比較するのは科学的ではありません。
たとえばヨードは体内に入り血液ないしリンパ液で体内を循環して甲状腺に蓄積して甲状腺機能の亢進症などを引き起こし、また甲状腺がんなどを引き起こします。
がんなどの晩発性障害の発症は被曝線量に比例するので、どれだけ被ばくしても良いとか悪いとか言えません。
急性症状も晩発性障害もいずれも放射線を浴びなければあびないほどよいわけです。(3月17日記)