・アレルギー対応食品店、懸命の営業…仙台
仙台市宮城野区のアレルギー対応食品店「ヘルシーハット」が被災しながらも、避難所で出される食べ物を口にできない人たちのために営業を続け、アレルギー対応の米粉パンを無料配布している。
同店の三田久美社長(55)は週明けにも来店できない人のために避難所へ米粉パンを配達する予定だ。
同店は小麦粉、卵、牛乳などのアレルギー物質を使用しないパンや菓子などを生産、販売しており、今回の震災では全国から送られるアレルギー対応の支援物資を受け入れる被災地の拠点の一つとなっている。これまでにNPO法人「アトピッ子地球の子ネットワーク」(東京都新宿区)や、同「アレルギー支援ネットワーク」(名古屋市)から「アルファ化米」などが送られており、店頭に取りに来られる人に手渡している。
食物アレルギーの患者は、小麦などを含む食べ物を口にすると、発疹などのほか、呼吸困難や意識障害の症状を引き起こし、死亡するケースもあるため、普段から食事に注意しなければならない。
同店は特にアレルギーの子どもを持つ保護者から頼られており、「子どもの命が助かった」と涙を流して喜んだ父親もいたという。
自宅が損壊の危険があるため、店舗で避難生活を送っている三田社長は「避難所で食べられるものがなく苦しんでいる人がいることを知ってほしい」と訴えている。問い合わせは同店(022・292・0355)へ。
(2011年3月19日 読売新聞)