カロテノイドが皮膚アレルギー性炎症に与える影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム21
アトピー性皮膚炎―治療
司会者:古川福実1), 秀 道広2)(和歌山県立医科大学皮膚科1), 広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学2))

MS21-6.カロテノイドが皮膚アレルギー性炎症に与える影響の解明

石川信吾1), 大瀬戸郁美2), 稲熊隆博1), 三原祥嗣2), 秀 道広2)
カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所バイオジェニックス研究部1), 広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学2)


--------------------------------------------------------------------------------
【目的】我々は,緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドが花粉症や気管支喘息等のアレルギー性疾患を抑制することを明らかにしてきた.

今回,低ミネラル餌(HR餌)を投与するとアトピー性皮膚炎様症状を誘発するヘアレスマウスHR-1にカロテノイドを投与し,皮膚症状に与える影響を検討した.

【方法】HR1マウスに普通餌(非発症群),HR餌(発症群),HR餌+β-カロテン(1mg/g)(β-カロテン摂取群),またはHR餌+リコピン(1mg/g)(リコピン摂取群)を摂取させ,経時的に角層水分量,経表皮水分喪失量を測定し,皮膚の肉眼的観察とともにHE染色による組織学的観察を行った.

【結果】β-カロテン摂取群及びリコピン摂取群は,発症群に比べて角層水分量が有意に高値を示し,経表皮水分喪失量の低下もみられなかった.

また,皮膚の肉眼的観察では落屑やシワが軽度であり,HE染色では表皮肥厚の抑制と真皮へ浸潤した炎症細胞数の減少が確認された.

【結論】β-カロテン及びリコピンは,角層機能の改善,表皮肥厚の抑制,炎症細胞浸潤の抑制作用を介して皮膚アレルギー性炎症を抑制する効果を持つことが示唆された.

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催