プロトピック軟膏使用に伴う尿中神経成長因子の変化 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム21
アトピー性皮膚炎―治療
司会者:古川福実1), 秀 道広2)(和歌山県立医科大学皮膚科1), 広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学2))

MS21-1.プロトピック軟膏使用に伴う尿中神経成長因子の変化

森田慶紀1), 下条直樹1), 鈴木修一2), 松山 剛3), 井上祐三朗1), 河野陽一1)
千葉大学大学院医学研究院小児病態学1), 東邦大学佐倉医療センター小児科2), 国立病院機構下志津病院小児科3)


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【目的】近年小児のアトピー性皮膚炎の治療薬としてプロトピック軟膏がしばしば使用されるようになっている.

プロトピックはその抗炎症効果に加えて速やかにかゆみを軽減することも知られている.

一方,小児ではかゆみの客観的指標が得づらい.

そこで本研究は,プロトピック使用前後での,アトピー性皮膚炎のかゆみとの関連が注目されている神経成長因子(NGF)の変化を明らかにすることを目的とした.

【対象と方法】対象は千葉大学小児科,千葉県こども病院アレルギー科,東邦大学佐倉病院小児科に通院している3歳から14歳の小児アトピー性皮膚炎患者10名.

プロトピック軟膏使用前および使用後6週での皮疹・かゆみと尿中NGFを比較した.

【結果と考察】プロトピック使用前後で,皮疹の面積,睡眠スコアには変化がなかったが,紅斑・浮腫,丘疹・小水泡,苔癬化・結節,点状・線状びらんについては統計学的に有意に低下が認められた.

また掻痒スコアも改善が認められた.

尿中NGF/Cre(Cre;クレアチニンとは、体内で利用された老廃物の一つで、筋肉の活用により使われるクレアチンリン酸がエネルギーを発する際に分解されたもの)はプロトピック使用前後で有意に低下していた.

以上から尿中NGF/Creは乳幼児アトピー性皮膚炎の治療効果の客観的評価マーカーとして有用であることが示唆された.

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催