・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム13
薬物アレルギー・化学過敏症
司会者:飯島正文1), 長谷川眞紀2)(昭和大学医学部皮膚科1), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター2))
MS13-3.再燃を繰り返す薬剤性過敏症症候群の臨床的およびウィルス学的特徴について
前田修子, 山根裕美子, 繁平有希, 大川智子, 渡辺千恵子, 中村和子, 相原道子, 池澤善郎
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学
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目的:薬剤性過敏症症候群(DIHS)における再燃をもたらす因子を明らかにする.
方法:1998年から2006年の間に本邦で報告されたDIHS症例および当科で経験したDIHS症例について,臨床症状やウィルス学的検査所見と再燃の有無および再燃回数との関連につき調査した.
また,より詳しく検討するために厚生労働省の診断基準を満たすDIHS典型例を抽出し同様の検討を行った.
結果:調べえたDIHS症例は128例,そのうちDIHS典型例は45例であり,再燃なし群が21例,再燃1回の群が16例,再燃2回以上の群が8例であった.
再燃している症例は比較的高齢であり,原因薬剤内服開始から皮疹出現までの日数が短く,39度以上の発熱や重篤な肝障害など重篤な症例が多いことが特徴として挙げられた.
DIHS典型例では,再燃回数が多い症例ほど,肝機能障害が著しく,その他の臓器障害も多くみられた.
治療はステロイドパルス療法ないしミニパルス療法の割合が再燃例で高かった.
第58回日本アレルギー学会秋季学術大会 2008年11月開催