・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム1
食物アレルギーの治療(特に経口免疫療法)
座長:海老澤元宏1), 大嶋勇成2)(国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部1), 福井大学医学部附属病院小児科2))
MS1-5.鶏卵アレルギー低アレルゲン化オボムコイド減量加熱卵白による長期間経口免疫療法
山田一惠1) 成瀬徳彦2,4) 安 在根2) 中島陽一2) 小松原亮2) 河村牧子2) 各務美智子2) 平田典子2) 近藤康人2) 柘植郁哉2) 宇理須厚雄2) 木村 守3) 鳥居新平4)
山田医院1) 藤田保健衛生大学医学部小児科2) キユーピー株式会社3) 上飯田第一病院4)
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(目的)オボムコイド(OM)減量加熱卵白クッキーによる免疫療法を1ヵ月間実施しても負荷試験が陰性化しなかった症例でさらに免疫療法が継続できた症例について,経口負荷試験陽性抗原量,免疫学的変化を検討した.
(対象と方法)加熱卵白陽性10例,凍結乾燥卵白陽性3例,計13例.
免疫療法の期間は3ヵ月間以上継続,最長7ヵ月.
血清卵白特異的IgE抗体,卵白抗原刺激末梢血単核球培養(7日間)上清中IL-4,IL-13,IFN-gammaの測定.
(結果と結論)経口免疫療法後の負荷試験の陰性化は9例,非陰性化は4例であった.
非陰性化群でも負荷試験陽性抗原量の増加が認められた.
免疫療法後,血中卵白特異的IgE抗体価は低下したが,卵白特異的IgG4は変化しなかった.
培養上清中IL-4,IL-13は免疫療法後に有意に低下した.IFN-gammaは免疫療法開始後上昇し,その後低下の傾向を示した.
以上から,経口免疫療法を長期に実施することは短期で陰性化出来なかった症例でも,Th2サイトカイン産生能の低下だけではなく,Th1サイトカインの産生能の鈍化をみた.
第21回日本アレルギー学会春季臨床大会 2009年6月開催
runより;とても簡単に言うと免疫が鶏卵に対して攻撃しなくなったと言う事です。詳しくは用語集のサイトカインをご覧下さい。