ハンセン氏病4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・古文書にみる癩(らい)病
ハンセン病は古くから世界の各地に存在していた病気で、多くの古文書に今日のハンセン病を思わせる記述が残っている。
ただし、古文書に登場するleprosyやレプラと呼ばれたものは、もともとはハンセン病以外の病気も含む概念を保持していた時代もあったことや、歴史的経緯からみると純粋な医学用語ではなく宗教的要素も加わった言葉であること、また聖書の翻訳にみられるように歴史的に混乱を引き起こすような翻訳の仕方が行われた結果を考慮すると、ハンセン病と同義にならないことに注意が必要である。
よって古文書でのleprosyやレプラの記述の意味を確認することは容易でない。
「ハンセン病の起源」に関する解釈も多くの説が存在するように、ハンセン病の歴史の検証作業を難しくする要因となっている。

また日本で使用される「癩病」も、もともとはハンセン病以外の病気も含む概念であるため、ハンセン病と同義であるとできない例も多くある。
また、「癩病」を一律に「ハンセン病」の名で置き換えているだけの出版物も多いため、この点も混乱を招く要因になっている。
よって、歴史的癩病と現在のハンセン病が同義でないことを念頭に置いて過去の文献に当たる必要がある。

日本聖書刊行会から出版されている『新改訳聖書』第三版ではヘブライ語の原音に近い「ツァラアト」と翻訳、日本聖書協会から出版されている『新共同訳聖書』では「重い皮膚病」と翻訳するなど、最近では古文書の翻訳には工夫が施されている。


ハンセン病の原因
ハンセン病の原因はらい菌の感染である。
ノルウェーのアルマウェル・ハンセン (Gerhard Henrik Armauer Hansen)によってハンセン病の原因菌がらい菌であることが証明された。


らい菌について
らい菌は、霊長類(マンガベイマンキー)とココノオビアルマジロのみに感染する。
アルマジロは正常体温が30~35度と低体温であり、らい菌に対し極めて高い感受性があるとされている。

ハンセン病の研究にはココノオビアルマジロが用いられてきた。
しかし、現在では突然変異により胸腺を欠き、免疫機能不全に陥っているヌードマウスでも感染・発症することが明らかになったため、研究は主にマウスで行われるようになった。


感染源
感染源は、菌を大量に排出するハンセン病患者(特に多菌型、LL型)である。
ただし、ハンセン病治療薬の1つであるリファンピシンで治療されている患者は感染源にはならない。

昆虫、特に蝿にらい菌が感染して、ヒトへのベクター感染するルートもあるため、昆虫も感染源になるという報告がある。
ゴキブリによる結核菌の移動実験により証明された。
しかし、現在では否定的な意見も多い。

その他、ルイジアナ、アーカンソー、ミシシッピ、テキサスの低地のココノオビアルマジロかららい菌が検出されており、アルマジロから人間に感染するルートの検討や、自然界、特に川などにらい菌が存在し経鼻感染にて感染するルートの検討もある。