・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム21
アトピー性皮膚炎―病態生理と治療2
座長:相原道子1), 相場節也2), 中川秀己3)(横浜市立大学医学部皮膚科1), 東北大学病院皮膚科2), 東京慈恵会医科大学皮膚科3))
MS21-17.臍帯化学物質と乳児期アトピー性皮膚炎発症に関する出生コホート研究
中野泰至1) 下条直樹1) 鈴木修一2) 深田秀樹3) 森 千里3) 河野陽一1)
千葉大学大学院医学研究院小児病態学1) 国立病院機構下志津病院小児科・アレルギー科2) 千葉大学大学院医学研究院環境生命医学3)
--------------------------------------------------------------------------------
【背景と目的】蓄積性化学物質への曝露によりアレルギー性疾患発症リスクが高まる可能性が指摘されている.
そこで我々は臍帯中の化学物質と乳児期アトピー性皮膚炎(AD)発症の関連を解析した.
【方法】千葉市内病院で出生した新生児105例を質問票にて追跡し,臍帯中の有機塩素系化学物質(polychlorinated biphenyls
[PCB],β-hexachlorocyclohexane[HCH]など)および重金属3種類を測定し,生後7か月までのAD発症との関連を調べた.
【結果】PCB濃度はAD群(n=30)68±46pg/g湿重量(平均±標準偏差)(以下単位同じ),非AD群(n=58)57±31,HCH濃度はそれぞれ108±117,62±42であった.
PCBは120,HCHは40をカットオフとするとそれぞれ高値群でのリスク比が有意に高かった.
重金属については両群間で差を認めなかった.
【まとめ】臍帯中の有機塩素系化学物質曝露と乳児期アトピー性皮膚炎との関連が示唆された.
現在さらに解析対象数を増やして解析を進めている.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催
runより;実は一番記事にしたかった物です。
環境問題のカテゴリーに入れたいと思った程関心を持ちました。
ごく普通の生活の中で化学物質にいかに曝されているか・・・
増加するアトピーの子供達が教えてくれてます。