ピーナッツ・ナッツ類経口負荷試験の検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム22
食物アレルギー・薬物アレルギー―病態生理と治療2―食物アレルギーの診断と評価―
座長:高橋義博1), 平家俊男2)(大館市立総合病院小児科・小児アレルギー科1), 京都大学大学院医学研究科発生発達医学講座発達小児科学2))

MS22-5.当院におけるピーナッツ・ナッツ類経口負荷試験の検討

尾辻健太1) 平山美香1) 二村昌樹2) 伊藤浩明1)
あいち小児保健医療総合センターアレルギー科1) 国立成育医療センターアレルギー科2)


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【背景】ピーナッツ(PN)は重篤なアレルギー症状を起こすため,特異的IgE抗体の結果のみで除去が指示されている患児が多い.

また,PNと他のナッツ類(TN)の臨床的な交差反応性についてはコンセンサスが得られていない.

【方法】2006年1月から2008年12月の間に64例(2.1-15.2歳,平均6.2歳)の負荷試験を行った.

対象者には,特異的IgE抗体陽性51例,未摂取50例,PNアレルギーがあり他のTNの摂取歴がない患児6例,幼少時に誘発歴があり,特異的IgE抗体価が低下したために耐性獲得確認の負荷試験を行った症例が10例含まれる.

負荷方法は,ピーナッツバター又はナッツそのものを用いて,微量,0.25,0.5,1,2gの20分間隔漸増法による.内訳はPN48例,アーモンド9例,クルミ3例,カシューナッツ2例,ヘーゼルナッツ1例,ココナッツ1例であった.

【結果】負荷陽性はPN10例,クルミ1例の計11例であった.

PN負荷陽性群のPN特異的IgE抗体価の中央値は4.07UA/ml(<0.35-24.1),陰性群では2.75(<0.35-51.7)で,両群間に統計学的な有意差を認めなかった.

負荷陽性者のうち1例に,重い誘発症状のためにアドレナリン筋肉注射を施行した.

【結語】経口負荷試験によるPN・TNアレルギーの確定診断は重要である.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催