・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム10
気道上皮細胞/線維芽細胞/血管内皮細胞とアレルギー病態1
座長:荒川浩一1), 庄司俊輔2), 松本久子3)(群馬大学大学院医学系研究科小児科学1), 国立病院機構東京病院アレルギー科2), 京都大学医学部呼吸器内科3))
MS10-12.保湿剤点鼻によるヒト鼻粘膜上皮バリア機能の変化とその持続時間
狩野信和1) 三輪正人1) 阿部実恵子1) 中島規幸1) 廣瀬 壮1) 岩崎洋子1) 山口晋太郎1) 村上敦史1) 蓮 琢也1) 呉 松晃1) 三輪真由美2) 渡辺建介1)
獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科1) はりま坂耳鼻咽喉科・アレルギー科2)
--------------------------------------------------------------------------------
【目的】ヒアルロン酸は,皮膚および角膜の保湿剤としてその局所投与の有効性が示唆されている.
我々は,生理食塩水の点鼻により,鼻粘膜上皮バリア機能が強化されることを既に報告しているが,今回,粘膜保湿機能と非常に密接に関連している上皮バリア機能に対する保湿剤の影響を検討した.
【方法】ボランティアに対してグークリーンEX(ヒアルロン酸ナトリウム,グリセリン含有,東京鼻科学研究所)と生理食塩水それぞれ点鼻前と点鼻5分後,30分後,2時間後で鼻粘膜物理的バリア機能の評価をおこなった.
鼻粘膜の物理的バリア機能の測定法として,上皮間電位差(PD)と鼻粘膜上皮水分蒸散量(TEWL)を用いた.
【成績】PDは点鼻後有意な変化は来たさなかったが,TEWLは減少することが証明され,その効果はグークリーンEXの方が生理食塩水よりも持続していた.【考察】グークリーンEXは,鼻粘膜上皮バリア機能をより長く強化する可能性が示唆されたが,グリセリン単独点鼻群とも比較検討し考察をおこなった.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催