・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム7
アレルギー性鼻炎―病態生理と治療2
座長:白崎英明1), 春名眞一2), 宇佐神篤3)(札幌医科大学耳鼻咽喉科1), 獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学2), 東海花粉症研究所3))
MS7-12.アレルギー性結膜疾患における全身アレルギー疾患合併の頻度
右田博敬 内尾英一
福岡大学医学部眼科
--------------------------------------------------------------------------------
目的:アレルギー性結膜疾患(ACD)はアトピー性皮膚炎(AD),気管支喘息(BA)およびアレルギー性鼻炎(BA)など,全身のアレルギー性疾患のひとつであり,これらとの合併はしばしば見られる.
ACD各疾患別にアレルギー性疾患の合併頻度を検討するとともに重症度との関係もあわせて解析したので報告する
対象および方法:ACDと診断された1079例を対象とし,季節性アレルギー性結膜炎(SAC),通年性アレルギー性結膜炎(PAC),アトピー性角結膜炎(AKC)および春季カタル(VKC)とに分類した.
アレルギー疾患はそれぞれの診断基準ないしガイドラインによって診断された.
日本眼科アレルギー研究会の臨床評価基準による臨床スコアを用いて検討した
.結果:疾患別に見ると,ADはAKCで全例,VKCは70.7%に見られ,BAはSAC 3.7%,PAC 4.3%に対し,AKC38.3%,VKC 82.9%と高かった.ARはSAC 58.4%,PAC 64.3%,AKC 83.0%,VKC 90.2%といずれも多かった.
いずれのACDでもアレルギー疾患合併群が非合併群よりも眼病変重症度が高い傾向はあったが,有意差はなかった
結論:AD,BAは重症型ACDに多く,ARはいずれのACDでも多いなど,アレルギー疾患によって,合併頻度は異なっていた.
一方アレルギー疾患合併と眼病変の程度には関係が少なく,ACDと全身アレルギー学的要因の直接的関連は少ないことが示唆された.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催