【検査】
瞳孔の対光反応を利用した自律神経検査、白と黒のコントラストの識別
能力による視覚感度検査、眼球の追従運動検査を基本検査として行い
ます。
トルエン、農薬などの中毒患者は改善されませんが、化学物質過
敏症の患者さんは良くなるためにこの方法が診断に使用されています。
脳の機能の半分が視覚に関係しており、目の症状に影響が表れやすく
その他、脳の血流低下が認められた記憶力や集中力に影響が出たり、
筋肉の血流障害により筋肉痛になったりします。
また、脳の血流を分析して8ppb のホルムアルデヒドでも反応する場合、化学物質過敏症であることが判明します。
【診断】
鑑別を要する疾患には、慢性疲労症候群、線維筋痛症、自律神経失調症、心身症、神経症、仮面うつ病、更年期障害などがあげられます。
疾患との一番の相違点は微量な化学物質で症状の悪化が引き起こされる点にあります。
ただ、慢性疲労症候群との境界は不明瞭といわれています。
【治療と予防】
治療と予防は同じであって、何よりも生体異物の減少を図ることが大事です。
そのために、推定原因物質の排除とともに、化学物質の総負荷量の軽減を図るための生活指導を細かく行います。
特に室内空気汚染の軽減には注意を払い、喚起が勧められます。
また、解毒促進のために、ビタミンC、E、亜鉛、マグネシウム、セレニウムなどの多い食物の摂取が勧められます。
早寝早起きにより、メラトニンの抗酸化力を高め、健康状態を維持します。運動療法、温熱療法で新陳代謝を高めやっかいなものを追い出します。
このように、原因療法であり、対症療法でないために、即効性はなく、治療には長期間が必要です。
アメリカのデータでは、運動療法により4週間で血液から一部の原因物質が除かれていくことが多く、初期悪化も出ることがあるが我慢が必要と報告されています。
(参考:薬壷)
runより:検査自体は正しいですが、近年はホルムアルデヒド、トルエンにも反応しない患者が増えています。
それも当然で有害VOCは200もあるのです。
類似の疾患についてはまた記事にします。