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・髄膜炎
髄膜炎は原因微生物によって細菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎、結核性髄膜炎に分かれる。
髄液所見によってこれらを鑑別するのが一般的である。
細菌性髄膜炎は緊急に治療を行わなければ後遺症が残る小児緊急疾患である。
結核性髄膜炎も治療を行わないと後遺症が残るがこちらは進行が遅いという特徴がある。
髄膜炎では嘔吐、腹痛を伴うことも非常に多い。
項部硬直は非常に重要な所見であるが臥位が取りにくいことも多い。
その場合は坐位で膝を立て(体育座り)で額を膝につけられるかで判定することもある。


細菌性髄膜炎
細菌性髄膜炎は起炎菌が年齢によって異なるのが特徴的である。

発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣といった主訴で来院する場合が多い。
機嫌が悪い、何となく元気がないといった非特異的な症状でも可能性はある。
項部硬直、ケルニッヒ徴候といった髄膜刺激症状、SIADHを合併した場合は大泉門膨隆といった所見が認められることがある。
発熱、痙攣は熱性痙攣との鑑別が重要となる。
典型的な病歴としては発熱、振戦、嘔吐、頭痛、羞明などの症状が出現し、徐々に進行し意識障害や痙攣にいたるというものである。
有熱性の痙攣で意識障害が遷延したり、乳児期早期の痙攣など、熱性痙攣の好発時期と異なる場合は細菌性髄膜炎も鑑別に入れるべきである。
重症感染症で特に見逃してはならない疾患としては感染性心内膜炎(IE)と細菌性髄膜炎があげられる。
特に新生児期では経過が急激であり半数近くが神経学的な後遺症を残し、約1割は死亡するため速やかな治療が求められる。
髄液はBBBを超えなければ移行できないという薬物動態学的な事情があるため、高用量の抗菌薬の投与が必要である。
細菌性髄膜炎の可能性が否定されるまでは髄膜炎の用量で投与するということはよくやる方法である。

細菌性髄膜炎が疑われた場合は原則としては抗菌薬投与前に腰椎穿刺を行う。
一側あるいは両側瞳孔固定、散大、除脳硬直、除皮質硬直、チェーンストークス呼吸、固定した眼球偏位があり脳ヘルニアがあると疑われた場合、刺入部位の局所の感染がある場合、血液凝固異常がある場合などは一般的に髄液検査は禁忌となる。
この場合は血液培養施行後、頭部CTにて脳ヘルニアの除外ができれば腰椎穿刺となる。
血液培養陽性は重症感染症を評価するためである。
またショックの症状が認められ全身状態の改善が急務の場合も考えられる。
この場合は最低限の全身状態改善後に腰椎穿刺を行う。
腰椎穿刺にて必要な検体の摂取ができれば速やかに治療にうつる。
検査結果は治療反応性が典型ではない場合も想定し、適宜参照を行う。
in vitroでは感受性のある抗菌薬を使用した場合、ほとんどのケースで開始後36時間で髄液は無菌化することが知られている。
抗菌薬投与後、翌日も腰椎穿刺を行うと細胞数や蛋白量はむしろ増加していることがしばしば観察されるがこれは菌体破壊による炎症反応の亢進である場合もあり一概に髄膜炎の悪化とは考えられない。