・日本アレルギー学会より
ミニシンポジウム32
アレルゲン・抗原と症例1
座長:岸川禮子1), 榎本雅夫2), 秀 道広3)(国立病院機講福岡病院臨床研究部内科1), NPO日本
健康増進支援機構2), 広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻探索医科学3))
MS32-14.高濃度正負クラスターイオンによる浮遊ダニアレルゲン抑制効果検証
岡野宏昭1) 中村美咲1) 西川和男1) 平本恵一2) 井上正康2)
シャープ株式会社健康・環境システム事業本部空調システム事業部デバイス開発部1) 大阪市立大
学医学部生化学分子病態学2)
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【目的】我々はこれまでに,プラズマクラスターイオン(PCI)がスギ花粉やコナヒョウヒダニ等の各種アレルゲンを不活化させることを報告してきた.
今回,高濃度のPCIを空気中に発生させる素子を開発し,コナヒョウヒダニに対する不活化作用が大きいことをELISA法にて確認したので報告する.
【方法及び結果】一立方メートルの容器内でコナヒョウヒダニ粗抗原様々な濃度のPCIを15分間作用させたサンプルを用い,マウス血清IgEによるELISA阻害法で評価した.
解析の結果,PCIが50,000個/cm3の条件ではダニ粗抗原とマウス血清IgEとの反応性が約97%低下し,その作用は濃度依存性に高くなることが認められた.
さらに,湿度を変化させて同様の評価を行った結果,湿度が高くなるほど不活化効果も高くなる事が確認された.
【結論】高湿度の空気中で高濃度のPCIを発生させることがダニアレルゲンの不活化に有効であることが示唆された.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催