・日本アレルギー学会より
ミニシンポジウム32
アレルゲン・抗原と症例1
座長:岸川禮子1), 榎本雅夫2), 秀 道広3)(国立病院機講福岡病院臨床研究部内科1), NPO日本
健康増進支援機構2), 広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻探索医科学3))
MS32-9.学校施設におけるダニアレルゲン実態調査
小濱美代子1) 生嶋昌子1) 高木 学2)
埼玉県衛生研究所1) 扶顛堂たかぎクリニック2)
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【背景】子どもたちの喘息発作をコントロールしてQOLを向上させるには,生活環境中のダニアレルゲンの除去が重要である.
これまでに我々は,小児喘息患者の家庭の住環境整備に取り組み,その実施がダニアレルゲン量の低減及び喘息症状の改善に有効であるという結果を得た.
そこで,子どもたちにとって家庭に次いで重要な生活圏である学校施設内のダニアレルゲン実態調査を行った.
【対象と方法】対象:埼玉県内の小学校2校及び高等学校等5校.方法:平成19年9月~21年1月に,対象校の保健室の布団・床,教室の床,カーペットの教室,畳の部屋,体操用マットから塵を採取し,Der 1量をELISA法(Indoor社)で測定した.
【結果】Der 1量は夏季に最も高く,秋冬と低くなる傾向が認められた.
保健室の布団,カーペット,畳,体操用マットに10μg/gを超えるものが認められたが,学校による差が大きく,管理の違いに起因すると考えられた.
教室の床は,40か所中35か所で2μg/g以下であった.
また,布団のDer 1量について検討した結果,敷布団の値に差が認められ,布団の丸洗いを実施(1年以内)している布団の値が低かった.
【結語】学校施設においてもDer 1量高値の箇所が認められ,アレルゲン除去が重要である.
今後,保育施設における分布について調査する.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催