・日本アレルギー学会より
ミニシンポジウム33
アレルゲン・抗原と症例2
座長:石井 彰1), 宗田 良2), 安枝 浩3)(東京学芸大学保健管理センター1), 国立南岡山医療
センター内科2), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター3))
MS33-9.変性卵白食を摂取した食物アレルギーモデルマウスのアレルギー症状の解析
渡邊裕子1) 足立はるよ2) 関戸晴子1) 八村敏志3)
神奈川県衛生研究所1) 東京大学医科学研究所2) 東京大学農学生命科学科3)
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[目的]食物アレルギーは食材の加工により摂取可能になる場合があり,牛乳アレルギー患者では加熱乳を摂取した場合の方が寛解しやすいという報告があるが,多くの要因を含むことからそのメカニズムは明らかとなっていない.
そこで,食物アレルギーモデルマウスに変性状態の異なる抗原を摂取させアレルギー症状の変化を解析した.
[方法]卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞受容体遺伝子トランスジェニックマウス(OVA23-3)に未変性卵白を20%含む未変性卵白食,80℃15分,100℃5分,121℃40分加圧加熱処理した卵白を20%含む変性卵白食を28日間投与し,血中のIgE抗体価および腸管組織のマスト細胞の浸潤,ヒスタミン産生量によりアレルギー症状を解析した.
[結果]未変性卵白食では血中の総IgE抗体価,OVA特異的IgE抗体価が上昇し,腸管での重篤なアレルギー様症状を誘発した.
変性卵白食では処理温度が低いほど下痢の症状が悪化し,血中の総IgE抗体価およびOVA特異的IgE抗体価は増加した.
腸管における組織観察では,マスト細胞の浸潤,ヒスタミン量ともに処理温度が低いほど増加した.
121℃40分加圧加熱処理卵白食では血中IgE抗体価の上昇や腸管でのアレルギー症状は観察されなかった.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催
runより:つまりは加熱温度が高い程アレルギーが出ませんでしたという事です