・代替医療・民間療法
患者レベルで高い興味がもたれている民間療法であるが、その定義はなく、科学的に実証されているわけではない。
食品や飲料の摂取などのほか、さまざまなグッズ類を使用したり、鍼灸などの伝統医療や整体、医師によらない漢方治療なども民間療法といえる。
有効なものもあるとは考えられるが、多くはそれらの成分や機序が解明されていない。
患者の口コミなどによって広まるものもあるが、偽薬|プラセボ(偽薬)効果もあると考えられている。
テレビ番組などによって毎年新たに話題になっては消えていくものも多い。
ごく一部の医師により治療の補助として用いられることもある。
以下に主なものを示すが、太字はある程度の研究がなされているものである(ただし、その研究のレベルは大きく異なる)。
近年においては、衛生仮説とも関わりのある乳酸菌類の研究がいちじるしく、ヒトにおける臨床試験や、メカニズムの解明が進められている。
また、地方の特産品の消費推進のため、その健康効果を実証する試みも多く行われているようである。
そうした研究によれば、下記の植物生薬の一部においてはポリフェノール(その種類は4000~5000種類あるという)と呼ばれる植物の苦味・渋み成分が広義の抗アレルギー効果を示すという。
成分中のビタミンの一種が症状の軽減に有効とされたこともある。
しかし、そうした効果がある程度実証されているものであっても、その多くは劇的な効果は期待できない。
これらの成分とビタミン・ミネラル等を配合したサプリメント類や清涼飲料水など、いわゆる健康食品類も多く出ている。
患者においては、過信・盲信せず、多大な経済的被害はもちろん、健康被害などをこうむらないように注意が必要である。
自分に効いたものが他人にも効くとは限らない点にも注意が必要である。
これらのほか、漢方的・栄養学的見地などから、特定の食品の制限や積極的な摂取なども行われる。
薬効を期待するというより、いわゆる健康法であろう。
なお、2007年2月、スギ花粉(実際はスギのつぼみ)をカプセルにつめた健康食品にて、服用した患者が一時意識不明になるという事故がおきた。
また、花粉症との関連はないが、高濃度のにがりでも事故が起きている。
「食品だから」「薬ではないから」安全であるという根拠はまったくないということを使用者は強く認識しておかなければならない。
厚生労働省は、「残念ながら民間医療の多くに十分な効果の根拠があるとは言えません。
」「安全性が危惧される民間医療も指摘されています。」としている([http://www.mhlw.go.jp/newinfo/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html 厚生労働省:花粉症の民間療法について])。