・その他の治療
レーザー手術
鼻内部のアレルギー症状をおこす部分の粘膜にレーザー光線を照射して焼灼し、その部位を変質させることで鼻水・鼻づまりを抑える治療法。
原則的には鼻詰まりの治療法である。
保険が利くが、美容整形クリニックなどで自由診療(保険外診療)として行っている場合がある。
レーザー照射をしてから数日は、傷(やけどのようなもの)のために花粉症以上の鼻水が出て苦しむこともある。
一般的にはシーズンの1~2か月前に予防的に行う。
効果の程度は個人差があり、有効でない場合もある(医師の技術にもよる)。
効果の持続は整形手術などとは違い、短ければ数か月、長くて2年程度のことが多い。
そのため毎年行う患者もいるが、そうした繰り返しの処置による不可逆的な組織の変化、すなわち後遺症については、歴史が浅いこともあって明らかな知見はない。
安全だという医師もいれば、毎年はやらないという方針の医師もいる。
細かくみれば、レーザー光線の種類や術式の違いもある。
いうまでもなく鼻の処置であるため、目の症状には効果はない。
その他の処置・治療
レーザーと同様な原理で、鼻粘膜に対する超音波メスによる処置や、高周波電流を使った鼻の処置が行われている。
薬剤の塗布によって鼻粘膜を化学的に焼く方法もある。
治療成績や後遺症については、レーザー同様、確立した知見はない。
特に通気性の改善のため、鼻中隔湾曲など鼻の器質的な異常に対する手術も行われる。
鼻水がひどい難治例にはビディアン神経切除術なども行われる。
麻酔科からのアプローチとして、首にある星状神経節のブロックという方法も行われる。
治療成績は明らかでない。
目の涙管に抗アレルギー薬を注入するという治療法も一部の眼科で行われている。
これは保険適用外。
その他、その医師の独自の考え方により特殊な治療法が実施されることもある。
治療成績はもちろん、安全性についても明らかでないものがある。
漢方薬による治療
各種の漢方薬による治療も行われる。
漢方薬は症状ではなく体質によって薬を選択するので、本格的には専門家の見立てが必要である。
一般の西洋医学の医師は、効果のマイルドな薬という観点で西洋薬的に用いることが多いが、それは正しくないともいわれる。
体質との相性がよいとかなりの症状の改善が期待できるが、現代医学的に効果が確かめられたものは小青竜湯だけである。
病院で処方を受ければ保険が利く(しかし、一般の病院では漢方の専門知識をもった医師はめったにいない。
理想的には和漢診療科などがよい)。
上記抗ヒスタミン薬などの西洋薬との併用も行われる。
女性の妊娠・授乳期にも比較的安全といわれる。
症状を抑える即効性の薬のほか、長く飲み続けて体質を変えて根治をねらうとされる種類の薬もある。
多く誤解されているのが、漢方薬なら副作用がないということだが、決してそのようなことはない。
特に小青竜湯や葛根湯に含有されるマオウは、体質または服用量により動悸や血圧上昇などが起こりやすい。
ただし、抗ヒスタミン薬のような眠気はない。
•花粉症によく用いられる漢方薬--葛根湯、柴朴湯、小柴胡湯、小青竜湯等