・重症度の把握
実際の重症度を調べるには、患者にアレルギー日記(花粉症日記)をつけてもらうのが一番の方法である。
この利点としては、自分の重症度や日による症状の変化などを把握できるため、アレルゲンが特定できていない場合、アレルゲンを推定するのに有用となることがある。
しかし、重症度とQOLの障害は別物であり、近年はこのQOLを重視する方針での治療が推進されるようになっているため、治療の経過を判断する材料にはなるが、それだけで判断することはない。
•外部リンク
•* [http://www.nasal-allergy.net/top/k_tool/b005.html 花粉症日記] 印刷して自分で記入する(PDF)
•* [http://www.tky.3web.ne.jp/~imaitoru/DegeDiary.xls 週間花粉症日記] Excelワークシート
•* [http://www.nasal-allergy.net/top/gaku_i/qol/index.html 日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票] 注:見本として参照されたい
治療
受診が推奨される診療科
一般的には、花粉症の治療を受ける場合に適した診療科は耳鼻咽喉科であるが、近年のアレルギー増加にともない、たいていの医師は一定レベルの知識を有している。
よって内科などでも充分な治療が受けられることがある。
小児の場合は、慣れているという点で小児科のほうがよいことがある。
同様に妊婦および授乳婦の場合は、産婦人科のほうがなにかと融通がきくことがある。
ただし、症状がひどい場合は、その部位の専門医にかかったほうがいいとはいえる。
すなわち鼻や喉の症状であれば耳鼻咽喉科、目の症状であれば眼科、皮膚症状がひどい場合は皮膚科が適する。
これらの診療科の標榜とともに、アレルギー科の標榜がなされていると、なおよいといえる(一般にアレルギー科単独で標榜していることは少ない)。
ただし、アレルギー科を標榜している医療機関に必ずアレルギー専門医がいるとは限らない。
アレルギー専門医を調べるには、日本アレルギー学会や日本アレルギー協会に問い合わせるとよい(アレルギー学会のサイトにて調べることもできる)。
なお、自治体の保健所などが相談体制を整えつつあるので、まずはそこで相談するのもよい。
•外部リンク
•* [http://www.jsaweb.jp/ 社団法人日本アレルギー学会]
•* [http://www.jaanet.org/ 財団法人日本アレルギー協会]
治療
治療は目的や方法によっていくつかに分けることができる。
対症療法と根治療法
一般に花粉症の各症状を抑えることが目的のものは対症療法と呼び、花粉症そのものの治癒を目指すものは根治療法と呼ぶ。
医療機関における各種の薬剤治療(薬物療法)は対症療法であり、現在のところ確実な根治療法は開発されていない。
唯一、減感作療法が根治療法にもっとも近いものといえる。
投与期における分類
症状が出る前から予防的に薬を服用するなどのことを初期治療(療法)または予防、季節前投与と呼び、症状が出てからも比較的コントロールできている状態に維持すること保存的治療または維持療法などと呼ぶことがある。
いったん症状がひどくなってしまった場合、その症状を押さえ込む治療を導入療法と呼ぶこともある。
医療者側からみた分類といえる。
初期治療を受け、花粉が飛散する前から薬の内服などをすると症状が出にくく、出ても軽くすむことは実証されている。
スギ花粉症のシーズン前には、飛散開始時期の予測が出されるので、それを目安に2週間程度前に受診し、適切な薬の処方を受けて使用をはじめるとよい。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、予防ができなかった場合でも、できるだけ軽いうちに受診したほうがよい。