・短時間測定結果は、複層塗材 E は全て検出限界以下であったのに対し、SOP 塗料は全て検出された。
特に、音楽室の壁、体育館鉄扉、カーテンボックスに塗布されたサンプルは検出範囲を超える高濃度であった。
長時間測定では、複層塗材E も検出されたが、SOP 塗料と比較して低濃度であり、音楽室の壁を除いては、短時間測定と同様の傾向が見られた。
以上の結果から、ホルムアルデヒド及びアルデヒド類についても SOP 塗料から放散されており、室内のアルデヒド濃度に影響を与えていたことが考えられる。
4-3 チャンバー法による発生源調査
4-3-1 建材の放散速度測定
(1) 調査目的
簡易測定法による材料の調査に続いて、原因をより詳細に調査するため、小形チャンバーを用いて小学校に使用された主な材料を測定した。
実際に使用されている材料からの化学物質の放散量を測定することにより、トルエンを始めとする化学物質の発生原因を推定することを目的とした。
(2) 調査概要
(2-1) 調査対象
元加賀小学校の教室において使用されている材料のうち、主な建材を対象とした。床材、壁材、建具等についてはトルエン濃度が高かった6 年1 組から切り出したものを、塗料、接着剤については新品を木片に塗布したものを測定した。
測定対象を表4-13 に示す。
表4-13 図をクリックして拡大してご覧下さい