アトピー性皮膚疾患の原因とみられるダイオキシン類について2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ ③ダイオキシン類の存在が生理学的医学的にADと関連しうるのかどうかについては、近年の分子生物学の発達の中でその関連性がより明らかになりつつある。

ダイオキシン類の存在下で免疫機能を司る胸腺の縮小がみられることは以前からわかっていたが、それに加えて免疫器官の変調によるインターロイキンなどの生体分泌物にアンバランスがおこって、これが下でアレルギーを発症することが明らかになってきている。
 rこのように、ADが木綿布団のわたを介してダイオキシン類と関連している可能性があることが判明してきたので、AD患者が使用するあるいはAD患者の母親が使用する木綿布団わたをサンプルに提供していただいて、実際に分析依頼したところ4つのサンプルすべてからダイオキシン類の検出があった。
 tいつ頃からADの多発があったかを文献調査したところ、大学病院が実施した2つの調査報告書があり、そのどちらもADの多発がおこったのは1970年すぎであることを示している。

また別の資料では、母乳中や食品中のダイオキシン類濃度の最高ピークがあったのは1973~1974年であることが示されている。

これらの状況は、先にみたダイオキシン類を含有混濁した除草剤農薬の世界的な使用と無関係であるとはいい難い。

また、2004年に追加調査として私が実施した乳幼児のAD発症に係る疫学調査では、乳幼児のADの発症は子ども自身に原因がみられるのではなく、母親の側に原因があるのではないかとみうけられる特徴がみられる。
 それは3つあり、ひとつは母親の誕生年が1970~1973年ころであるケース、ひとつは母親にADが見られるケース、ひとつは母親の誕生年、但し調査対象母親の誕生年はいずれも1960年代から1970年代やADの有無に関係なく、また第一子にはADがみられないのに第2子に突然にADがみられるケースであり、父親との子のADには関連がみられない。

この母親にみられる特徴の共通点は、ダイオキシン類の汚染の濃度がきわめて高かった1970年代を生きてきて、近年に子を出産していることであり、暴露をうけたケースでの母親の体に蓄積されているダイオキシン類が胎盤や母乳をとおして子を汚染し、ADの発症が起きているのではないかとの推測は否定できない。

さらに重症性成人AD患者の20名以上の方に口頭ではあるが使用している布団の種類をお尋ねしたところ、全員の方が木綿布団ですとお答えになられたことをも付記しておきます。

日本が世界の中でもとくにADが多いといわれるのは、世界の中でも綿繊維を布団わたに使用するのが日本くらいではないかということとの関連性はないのであろうか、今後更に調査を拡充する必要があると思われる。