アトピー性皮膚疾患の原因とみられるダイオキシン類について | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html


・ニュースレター 第37号 (2005年11月発行)


アトピー性皮膚疾患の原因とみられるダイオキシン類について
ダイオキシン類研究家 高橋 義輝

 アトピー性皮膚疾患(Atopic Dermatitis:以下、ADと略すことがある)が大きな発生をみてから早30年余が経過しようとしているが、これまでADの原因あるいは原因物質はダニや卵ではないかとして対策が講じられてきたが、真の原因が判明していなかったために、対策は手さぐり的で試行錯誤のくり返しであったようにみえる。

私は、私が2000年に実施した調査の中からダイオキシン類がADの発病原因ではないかと思わせる状況を確認したので、そのことをご報告して、AD患者の自己防衛策のひとつに役立つことを願う。

1、ADの発症原因としてダイオキシン類が関連するのではないかとする根拠
 私が実施したADの原因調査の中で、最終的に依頼分析したところ木綿布団わたからダイオキシン類の検出があったこと。

併せて分子生物学分野の近年の研究からダイオキシン類の存在下において免疫機能の変調が惹起することが明らかになってきており、この免疫機能の変調がアレルギー疾患であるADを発症させていると考えられること。

2、ADの原因としてダイオキシン類を推定する根拠の説明
 ①私ははじめに住居環境等とADの関連に関する調査を実施した。AD診断歴があるもの76名を含む101名の対象者で、年齢は3~9歳で幼少年者が対象者であった。

その結果を統計解析したところ、木綿布団がADの診断歴があることと関連性があるとの結果があり、その他の設問であった住宅構造、部屋掃除、布団干し等のダニやシックハウスに関連するであろう項目では関連性があるとなるものはなかった。
 ②はじめのうちはごく天然的な材料である木綿わたのどこがADと関連するのかぜんぜんわからなかったが、調査したところ、木綿布団わたでは加工で化学薬品処理をまったく行われることがないことがわかったので、次に栽培工程を調べたところ、数種の農薬が使用されており、その中に枯葉剤を散布する工程があることがわかった。

枯葉剤には、以前は2,4,5-T(2,4,5トリクロロフェノキシ酢酸)と2,4-D(2,4ジクロロフェノキシ酢酸)が使用されていて、これらの農薬の農業分野での使用は、ベトナム戦争で行われた枯葉作戦の終息があった1969年からその残余が一般市場に放出されたときから始まった。

その結果のよさと安価さから世界中の農業分野で行なわれることになった。ところが2,4,5-Tには猛毒性である2,3,7,8-ダイオキシンが混濁していて散布地域で流産の問題が頻発したことを契機に、1980年代半ばころには製造使用が中止された。

その間10年以上も使用されたのであった。
 一方、2,4-Dにもダイオキシン類の混濁はあるのであるがこちらは低毒性であるとの評価の下に現在も製造使用されている。

そして綿花栽培では収穫前の綿花繊維が真っ白な姿を樹上に出しているときに、収穫時期を早めるために、また機械による収穫時に茎葉の葉緑素が綿繊維を着色して価値が下がることをないようにするために、枯葉剤を飛行機で空中散布する工程があるので、綿繊維に直接農薬がふりかけられ、難分解性であるダイオキシンが残留する可能性が考えられた。