・3.集計結果
平成16 年度の検査結果の総括表を表2に、また、参考として平成15 年度の結果を表3に示した。
集計の対象となった平成16 年度の農産物中の残留農薬検査結果総数は約
2,440,000 件であり、このうち食品衛生法に基づく残留農薬基準値が設定されているものが約820,000 件、設定されていないものが約1620,000 件である。検査を行った食品について国産品、輸入品の別にみると、国産品が約400,000 件、輸入品が約2,040,000 件となっている。
また、検査の結果、何らかの農薬が検出されたものは4895 件(0.20%)であり、このうち、残留農薬基準が設定されているものが3,716 件(0.45%)、設定されていないものが1,179 件(0.07%)である。
農薬が検出された事例について、国産品、輸入品の別に見ると、国産品が1,260 件(0.32%)、輸入品が3,635 件(0.18%)となっている。
更に、残留農薬基準が設定されているものであって、基準値を超える量の農薬が検出されたものは65 件(0.01%)である。
これらを国産品、輸入品の別に見ると、国産品が14件(0.01%)、輸入品が51 件(0.01%)となっている。なお、残留農薬基準に適合しない食品については、地方公共団体や検疫所において当該食品の回収、廃棄等の措置が講じられたほか、必要に応じて農林部局と連携し、生産者に対して農薬の適切な使用についての指導が行われた。
農薬ごとの検査結果については、同一農薬に関する検査数が100 件以上あった140 農薬中検出割合の高い上位20 農薬を表4に示した。
また、国産品を対象として同一農薬に関する検査数が100 件以上あった94 農薬中、検出割合の高い上位20 農薬を表5に、輸入品を対象に同一農薬に関する検査数が100 件以上あった101 農薬中、検出割合の高い上位20 農薬を表6に示した。
4.考 察
平成16 年度の結果は平成15 年度とほぼ同様の傾向を示しており、何らかの農薬が検出された件数割合、食品衛生法に基づく残留基準値を超える農薬が検出された件数の割合のいずれも極めて低いことから、我が国で流通している農産物における農薬の残留レベルは低いものと考えられる。
なお、農産物から検出された農薬の中には、臭素や鉛のように、農産物中にバックグラウンドとして検出されるものもあり、検出されたものすべてが農薬
として用いられた成分に由来するものとは限らない。
さらに、農産物の国産品、輸入品の別にみると、表5及び表6に示したとおり、検出割合の高い農薬の種類が異なっているが、これは国内と諸外国とで汎用されている農薬の種類が異なることによるものと考えられる。