・米国における家庭への供給線は、110V の二相である。二相220V に接続された電気製品は、中性線電流に寄与しないので、正味電流にも寄与しない。電気製品を1 つあるいは別の相と接地線の間に接続した場合は、中立電流に寄与する。
中性線電流、ならびに正味電流および磁界は、全負荷ではなく、2 つの相に接続された負荷の間の相違に依存する。
家庭において磁界を発生させるもう1 つの配線は、電灯の二方向電源である。標準的な方法で配線されていれば、二方向電源電灯で正味電流が発生することはない。
しかし、家庭用のスイッチおよび電灯の点灯回路の配置は、電灯と2 つのスイッチを接続し、家の残り部分の一部を取り囲む正味電流のループを効率的に形成するような方法で、電灯に接続する構成になっていることが多い。
この正味電流のループは、磁界の発生源となる。この発生源は、影響をおよ
ぼす電灯の電源が入ったときのみ有効となる。
空間分布
どんな発生源からの電磁界強度も、発生源からの距離が増えるに従って小さくなる。
界は発生源の形態により、距離の累乗に従って減少することがよくあ(Kaune およびZafanella、1992)。
距離r における界強度は、1/r、1/r2 または1/r3 に比例する。
r の累乗数が大きくなるにつれ、界の減少は極端になる。
界の強さが距離の三乗分の1(1/r3)に比例する場合、距離が2 倍になれば、界は8 分の1 に減少する。
この法則はよい近似を示すが、実際にはこの累乗則に正確に従うことはあまりなく、特に非常に接近している場合や非常に離れている場合にはその法則から外れることとなる。
家庭内では、バックグラウンド界-その家の体積における界の一般レベル-にはばらつきはほとんどなく、その発生源はたいてい家の外部にあるため、距離の逆数または距離の二乗の逆数の関係からは、限られた体積中では大きなばらつきは生じない。
但し、バックグラウンド界のばらつきに上乗せされた場合、電気製品または屋内配線から局所的に高い界が形成される地点が存在する。そのような製品からの界は1/r3 に従って低下する傾向にある。