2 発生源、測定およびばく露 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2 発生源、測定およびばく露
2.1 電界および磁界
本章では、電界および磁界の性質を説明し、発生源およびばく露に関する情報を提示し、疫学に対するばく露評価の意味合いについて考察する。実験室内条件における界の発生および測定は、本章の範囲外とする。
2.1.1 界の概念
物理学において、界の概念は非常に一般的で、空間のある領域における各点について、ある物理量の特定の状態を説明するものである。界はほとんど全ての物理量について定義可能であるが、一般には力を及ぼす能力を有するものについてのみ用いられる。例えば、重力場は、空
間内の各点において単位質量に働く力を表す。

従って、電界は単位電荷に力を表し、磁界は移動する単位電荷に働く力として定義される。
電界は電荷によって発生し、その運動状態には無関係である。

ある点における単一の電荷は、球対称および無限長のパターンで、全ての方向に電界を生じる。

電荷線(例えば電力線)は円筒対称のパターンで、線の周囲に電界を生じる。

実際には、単一の孤立した電荷または単一の孤立した電荷担体をもつことは不可能であり、また、これらの電界の線は無限に長くなるのではなく、別の電荷(導体内に既に存在する別の電荷の場合もあるし、導電物体の電界によって誘導された電荷の場合もある)を終端にもつ。

従って、いずれかの点に存在する電界パターンの全体的な形状は、電荷の分布および近辺にある物体の分布によって左右される。

技術的な系においては、電荷は電圧に関連しており、電流または電力とは関連しない。
磁界は電荷の移動によって発生するので、用いられる電圧に関係なく、系内の電流に比例する。

導体を流れる電流は、導体がどれほど複雑な形状をしていようとも、大きさが無限小の、終端間で結合した一連の区画に分割できる。電流の短要素によって生じる磁界は、Biot-Savartの法則により次式で与えられる:
ここで、dH は空間内の1 つの位置r において、導体要素dl 中の電流要素i が生成した磁界の要素であり、またφはdl とr のなす角である。
電荷および電流が静的である限り、電気および磁気は明確に異なる現象である。

但し、電荷分布の時間変動により電界および磁界のカップリングが生じ、これは周波数増加に伴い強くなる。

電界および磁界の特性および相互作用は、Maxwell の方程式によって完全に説明される。
静止している電荷および運動中の電荷から生じる「準静電磁界」に加えて、加速中の電荷は放射成分が生じる。

超低周波では、発生源の放射界は無視できる。実際のばく露状況では、放射はELF 領域では完全に無視できる。放射が支配的となるのは、波長に比べて距離が大きくなる場合だけである。
波長とは、2 つの連続した波のサイクルの間隔である。

自由空間では、波長=光速/周波数の公式によって、周波数と関連付けられる。50Hz では、波長は6000km(60Hz では5000km)と非常に長い。

これに対し、周波数が100kHz の電波の波長は3km である。