勝訴判決相次ぐシックハウス・化学物質過敏症 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
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・勝訴判決相次ぐシックハウス・化学物質過敏症
副代表 神山美智子
ニュースレター 第43号 (2006年11月発行)
電気ストーブで化学物質過敏症―東京高裁逆転勝訴判決
 2006年8月31日、東京高等裁判所は、大手スーパー・イトーヨーカ堂に対し、同社が販売した中国製の電気ストーブで、当時受験勉強中の高校生が化学物質過敏症に罹患したとして、既払い金250万円の他に約550万円を支払えという判決を出しました。これは一審東京地裁の原告全面敗訴を取り消した逆転勝訴判決です。
 国産の標準的な電気ストーブの場合、ヒーターからヤケド防止のガード部分まで5センチなのに、このストーブは2.5センチしかなく、ストーブを使うとガードが異常な高熱になるというものです。

ガード部分にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など合成の有機塗料が塗布されています。

約30万台が販売され、問い合わせが約70件、うち臭いに関するものが約20件、臭いとして返品されたものも4件あったそうです。
 後にイトーヨーカ堂が検査機関に依頼して検査した結果、フタル酸ジエチル、テトラデカン酸、フェノール、安息香酸、ホルムアルデヒド、トルエン、アセトンなど多くの有害物質が発生していることも確認されています。
 当時高校生は机の下で部屋の換気をせずに使ったとのことですが、電気ストーブで換気が必要とは誰も思いません。
 裁判所は、北里研究所病院の診断書、化学物質過敏症診断基準、厚生労働省の室内空気指針値などを詳細に審理し、原告が上記のような有害物質を吸ったことにより、化学物質過敏症になったと認定したのです。
 こうした裁判では事業者の過失(注意義務違反)の認定が難しく、これまでなかなか勝訴できなかったのですが、この事件で裁判所は、イトーヨーカ堂は、販売前に稼働させて異常の有無を確認すべき注意義務や異臭発生の問い合せがあった時点で人体への有害性を検査確認すべき義務があったとし、これに違反した過失があるとしました。
 そして、遅くも平成12年中には、シックハウス症候群の報道などを通じて、家庭生活において、建材、塗装、接着剤などの使用により化学物質が発生し、人の健康被害が発生することが知られ、また化学物質への反応には個人差があり、過敏症を生ずることなども一般的に知られていた。」と明確に判断しました。