・メニエール症候群について [編集]
ハンガリーの耳鼻科医Adam Politzerが1867年に「めまい」「耳鳴り」「難聴」の三主徴症状がそろった疾患にメニエール症候群という疾患名を提案した。Politzerの時代には内リンパ水腫は発見されておらず、症状に対してつけられた症状名であった。
その後めまいの診断名が混乱した時期があり、その流れで現在でも医師によっては、内リンパ水腫を推定出来ずメニエール病の診断基準も満たさないめまい患者に安易にメニエール症候群やメニエール病の診断名をつける者が多い
日本めまい平衡医学会では、メニエール病の診断名をつけるに当たってはめまい症例に安易にメニエール病の診断を行うことは適当でないとしている[3]。診断基準に従った診断を行う必要がある[3]。
アメリカ耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会における診断基準 [編集]
(本アメリカ耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会における診断基準項目はwikipedia英語版: Meniere’s disease 2009年12月10日の版からの翻訳記事である [1])
メニエール病は1972年以前から認知されていたが、当時の疾病概念は現在と比べるとあいまいで漠然としたものだった。アメリカ耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会 聴覚・平衡感覚部会(American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery Committee on Hearing and Equilibrium, AAO HNS CHE)がメニエール病の診断基準を策定し、蝸牛殻型(めまいのないもの)と内耳前庭型(難聴のないもの)の2つの下位分類を設けている。
1972年に同学会が策定した診断基準は以下のとおり。
1.症状変動をともなう進行性感音難聴
2.意識不明がなく、つねに前庭性眼震をともなうはっきりとした特徴的なめまいの症状が20分から24時間持続
3.通常耳鳴りをともなう
4.緩和と悪化という特徴的な症状の交替がみられる
1985年、「難聴」を「低周波音を特徴とする耳鳴りと関連する聴覚失調」とするなど用語に変更が行われ、1回以上のめまいのあることが診断要件とされた。1995年の変更では以下のような疾患の程度を示す基準が加わった。
1.確定 - 組織病理学的に確認できる明瞭な病状
2.確実 - 聴覚失調をともなう2回以上のはっきりとしためまいに加え、さらに耳鳴り、耳閉感のいずれかまたは両方
3.疑い - 1回のみのはっきりとしためまいと、その他の症状、徴候
4.見込み - 関連する聴覚失調のないはっきりとしためまい
runより:メニエール病は聴覚過敏症と間違えやすい病気です。
診断基準に当てはまる方はメニエール病を疑ってみてください。