石川 哲先生の講演7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・これらのための現在の臨床研究の状況を施設ともに簡略に紹介する。
研究施設(ECU Environmental Control Unit)
 北里研究所病院臨床環境医学センターは化学物質過敏症患者診察のために開発設置された施設であり、環境コントロール施設(Environmaental Contorol Unit:ECU と通常略されている)である。この施設を利用して臨床的研究を行った。室内空気の化学的汚染を極力排除するように設計されている主な建設留意点と、運用留意点を挙げると以下の通りである。
i)建設留意点
   大型空気清浄機の設置
    ヘパフィルターを使用して微粒子の除去
    改質活性炭を使用しての化学物質の可及的除去
    上記により処理された清浄空気を室内に吹き込み清浄度を維持
    室内を陽圧に維持して、汚染空気の室内流入を抑える
   建設資材のガス発生を抑えるための吟味
    床材はガス発生を最低に抑えるために花崗岩を使用
    目地材はセメントを使用せず特殊材を開発、充填
    壁材および天井材は琺瑯引きの鉄板を使用
    ガラス、アルミ材を多用
   什器に対する配慮
    流しはオールステンレス製
    家具は無垢の広葉樹を使用
   線維製品に対する配慮
    無農薬木綿製品を使用
    洗剤にも配慮
ii)運用上の配慮
   入室者の配慮
    化粧品はすべて使用禁止(口紅、マニキュアを含む)
    印刷物の持ち込み禁止
    着衣は下着を除き交換
    前日より禁煙
    洗髪にも香料の強い物は使用しない
    食後30分は放屁の影響を防ぐために入室禁止
    放屁は出来るだけしない
    おむつ付きの患者の入室禁止
    その他香料等の悪臭を発生している患者は再度の出直し
   室内では食事の禁止
   掃除に際しては一切薬品を使用しない
   コンピューター関係には発生してくる可塑剤等の化学物質を排除するために、排気ダクトを置く。
   ボールペン、揮発性物質の発生する筆記用具の禁止
   スタンプの使用禁止
なお入室者のための患者への送付資料は資料1を参照されたい。
 なお今回のECUは電磁波対策はとられていないために、化学的には完全なECUであるが、物理環境的にはなお完全とは言えない。


runより:北里研究所病院のクリンルームは現在廃止されてます