石川 哲先生の講演6 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・3.化学物質過敏症の臨床的研究
1)研究方法
 患者の診察のためには安定した、化学的に清浄な検査室が望まれる。

その理由は
 (1)検査結果が、空気汚染により容易に変動するために、患者の経過を観察するためには一定の安定した空気環境が望まれることである。
 (2)さらに、化学物質過敏症患者の負荷試験には、その汚染環境への適応状態(マスキング)を外して行う必要がある。
 その概念図を図10、11に示した。すなわち、図10に示すように化学的刺激に頻回に曝露されていると、適応が起きている。

その適応能力の限界を越えた状態が化学物質過敏症であり、その適応が破綻してくると、器質的疾患が発生してくる。この概念はセリエのストレスと適応の概念から出ている。
そのために図11化学物質曝露対して、適応が進んでいると、化学物質刺激に反応を示さなくなっている。環境コントロール施設に入所すると、その原因物質からの刺激が排除されるために、原因物質に対して鋭敏に反応を示すことが出来るようになっている。

理想的には図の通り、数日の滞在期間をおいて化学物質負荷試験を行うことが望ましいが、数時間の適応除去でも十分な効果が得られている。

また逆に過剰のマスキング除去は、化学物質に対して抵抗力の増強を示すことが知られており、刺激効果がうまく検出出来なくなる可能性もあり、数時間の適応除去が逆に安定した結果を得るためにも適当とも考えられている。