身のまわりの電磁界について5 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・○ 電力設備
送電線や配電線、変電所などの電力設備からは、50Hzまたは60Hzの超低周波磁界が生じています。これまでの調査によると、磁界の強さ(磁束密度)は、送電線の下では最大10.07μT(地表1.5m)、配電線の下では最大1.13μT(同1m)、地中送電線の上では最大13.4μT(同0m)、変電所の敷地境界では3.99μT以下(同1m)です。

○ 電子タグや電子商品監視装置の読み取り装置など
電子タグ、電子商品監視装置(EAS)、非接触式ICカードの読み取り装置などからは、各種の中間周波磁界が発生しています。
○ 携帯電話などの無線機器、携帯電話基地局、放送局
携帯電話やその基地局、TV・ラジオ放送局の周辺には、様々な周波数の高周波電磁界が発生しています。

これまでの調査によると、携帯電話基地局からの電磁界の強さ(電界強度)は、市街地で2.5V/m、郊外で1.6V/m、小学校周辺で1.6V/m、地下街で5V/mです。

Q.4:電磁界にはどのような作用があるのですか?
A.4:静電磁界には放電に伴う不快感など、超低周波電磁界には組織内に電界や電流を生じる「刺激作用」、高周波電磁界には組織の温度上昇を生じる「熱作用」があります。
【解説】
○ 静電磁界の作用
静電磁界(0Hz)のうち、静電界の生物への影響としては、体表面での電界強度が十分に高い場合、体毛に作用する力や放電(マイクロショック)によって知覚することができます。

その「しきい値」(反応を生じる刺激の最小値)は10~45キロボルト毎メートル(10~45kV/m)の範囲と考えられています。

このしきい値よりも相当高いレベルでは、不快感や放電に伴う痛みが生じます。

静磁界については、磁束密度が2~4テスラ(2~4T)を超える強い静磁界の中で頭部を動かすと、めまいや吐き気、金属質の味覚、閃光を感じる場合があることが知られています。
○ 100kHzまでの電磁界の作用(刺激作用)
あるレベルよりも高い100kHzまでの電磁界(超低周波及び中間周波)に生物がばく露されると、電磁誘導によって組織内に電界や電流が生じます。

これは「刺激作用」と呼ばれます。

この作用は電磁界の強さに応じて増加します。生物の体内には自ら発生する電流が存在し、これによって神経や筋肉を刺激することで体内の生理的活動を支えています。

これまでの研究結果から、ばく露によって生じる誘導電流密度が100ミリアンペア毎平方メートル(100mA/m2)を超えると、この体内電流が乱され、健康への影響を生じることがわかっています。
○ 100kHzを超える電磁界の作用(熱作用)
あるレベルよりも高い100kHzを超える電磁界(中間周波及び高周波)に生物がばく露されると、電磁界のもつエネルギーによって、組織を構成する分子のうち極性(プラスとマイナス)を持つもの(水分子やたんぱく質など)が振動し、温度が上昇します。

これは「熱作用」と呼ばれます。

電子レンジが食品を加熱するのは、この原理を応用しています。

この作用は高周波電磁界の強度に比例して増加します。

これまでの研究結果から、高周波電磁界に全身が一様にばく露される場合、体温が1℃程度上昇すると健康への影響を生じること、そのような体温上昇を生じる電磁界の強度(比吸収率、SAR)は、全身平均で4ワット毎キログラム(4W/kg)以上であることがわかっています。

また、高周波電磁界に身体の一部が局所的にばく露される場合、局所SARが100ワット毎キログラム(100W/kg)を超えると、眼や睾丸など熱に敏感な組織に著しい熱的損傷が起こりうることがわかっています。