・3. この病気はどのような人に多いのですか
肺好酸球性肉芽腫症は、一般的には若い男性に多く、20歳から50歳までの人に多く見られますが、最高年齢では70歳での発症例も報告されています。
Hand-Schüller-Christian病(ハンド・シュラー・クリシチャン病)は発症時期の多くは小児期(10歳以下)といわれていますが、少数(20歳以上の成人発症は12%弱)ながら全年齢層(50歳以上まで)に認められています。
男 女比は2 : 1と、男性に多く認められています。
Letterer-Siwe病(レテラー・シーベ病)は1歳未満で発症することがほとんどで、小児期まで生存しうる患者さんは、まれであるといわれています。男女比はほぼ同数といわれています。
4. この病気の原因はわかっているのですか
3疾患のいずれにおいても、正確な病因は解明されていません。
肺好酸球性肉芽腫症の病因は現在までのところ明らかではありません。
考えられているのは、何らかの未知の原因に対して、肺にランゲルハンス細胞が増加して、肉芽腫が形成されるというかたちの、一種の免疫反応です。
ランゲルハンス細胞は、マクロファージ由来と考えられています。
肺好酸球性肉芽腫症では90%以上の患者さんが喫煙者であり、発症との因果関係が注目されています。喫煙が刺激となり、肺での肉芽腫形成性免疫反応につながるという考え方も提唱されています。
Hand-Schüller-Christian病(ハンド・シュラー・クリシチャン病)も、肺好酸球性肉芽腫症と同様に、ランゲルハンス細胞が慢性進行性に、全身で増加する疾患です。
しかし、肺好酸球性肉芽腫症と異なり、大多数は非喫煙者で、 病因は肺好酸球性肉芽腫症とは異なるものと思われます。
Letterer-Siwe病(レテラー・シーベ病)は、乳幼児にみられるランゲルハンス細胞の腫瘍性増殖による先天性疾患であり、胎生期に芽生えた腫瘍細胞が、生後増殖を始め、全身に広がる疾患と考えられています。
5. この病気は遺伝するのですか
肺好酸球性肉芽腫症に関して、厚生省の呼吸器系疾患調査研究班の呼吸不全調査研究班というところで、平成8年度の患者さんの実態を全国調査しました。
その結果、1例(1%)のみですが、兄弟発生の患者さんが認められました。
この結果から、遺伝する可能性も全くは否定はできないと思われます。