奇形タンポポの警告2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.奇形植物・化学物質過敏症と化学物質
 確かに、奇形植物の原因の可能性の一つとして化学物質はありましたが、まだそのつながりは不明確でした。

そこで、奇形植物、化学物質過敏症、化学
物質のそれぞれのつながりを明らかにすることがこの取材の進むべき道だと思いました。 

まず、①化学物質過敏症と化学物質の線をつなげるためには、夫婦の化学物質過敏症の原因が特定の化学物質であることを明らかにする必要がありました。

そのためには、トップダウン的アプローチ(過敏症の原因となった化学物質を見つける)とダウンアップ的アプローチ(その化学物質が過敏症を引き起こすのかを解明する)の両方を一致させる必要がありました。

ただ、原因となりうる化学物質は約10万種あり、天文学的数字でした。
 そこで、とにかく夫婦の家の敷地の土を調べてみることにしました。

すると、残留農薬は検出されませんでしたが、農薬以外の何らかの物質が土に含まれていることが分かったのです。

この物質は、「リン酸トリス(1、3‒ ジクロロ‒ 2‒ プロピル)」でした。

難燃剤として用いられる有機リン系の化合物です。 

私は以前ご主人が話していたことを思い出しました。

土を調べようとしてショベルカーでひっくり返したとき、土の中から産業廃棄物のようなものがざくざく出てきたというのです。

土地を造成するときに使う礫として、心無い業者が時々、岩等を使わずに産業廃棄物のようなものを使うのだそうです。

その真偽はともかく、夫婦の土地の土にリン酸トリスが存在することがわかりました。

過敏症の原因となる化学物質はリン酸トリスである可能性が出てきたのです。リン酸トリスは化学物質過敏症、シックハウスの原因となると言われていますから、リン酸トリスと化学物質過敏症はつながります。
 では、②奇形植物とリン酸トリスの線をつなげることは出来るのでしょうか。専門家に実験を依頼したところ、リン酸トリスの濃度と、帯化を起こしやすい植物であるサクラソウの帯化頻度の間に、正の相関関係があることが分かりました。

しかし、タンポポとリン酸トリスの関係については実験が難しく検証できませんでした。現時点では、両者の関係はまだ薄い線でつながったところです。
 最後に、③奇形植物と化学物質過敏症がつながるのか、すなわち奇形タンポポの原因物質と夫婦の過敏症の原因物質は同じなのでしょうか。

この点についてもまだ確認はできてはいません。