神経伝達系への作用の観点から見た人体への影響2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ネオニコチノイドの作用点は主に脳とリンパ球
 ネオニコチノイドは、神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの受容体のうち、ニコチン様アセチルコリン受容体に作用します。
 受容体は5つのサブユニットで構成されていますが、ネオニコチノイド自体は、サブユニットのうちのα 4 β 2 ニコチン様アセチルコリン受容体(ヒトの意識、情動、自律神経緊張を司る脳の扁桃体に存在する)に作用します。

このため、これらの受容体への作用が、動悸、手の震え、物忘れ、不眠、うつ、自傷/攻撃などの情動、焦燥感など多様な症状となって現れます。
 代謝産物はα 7 ニコチン様アセチルコリン受容体(ヒトの記憶を司る脳の海馬、および免疫を司るリンパ球に存在する)に作用します。

このため、脳の海馬への作用の結果として記憶障害が、またリンパ球への作用により免疫機能が障害され、風邪がこじれるなどの症状、喘息・アトピー性皮膚炎・じんましんなどのアレルギー性疾患や、皮膚真菌症・カポジ水疱様発疹・帯状疱疹などウイルスや真菌などの病原体による疾患、関節リウマチなどの誘因となると考えられます。 

特にアセタミプリドは、脳に蓄積する傾向がみられ、摂取から4時間経っても脳における濃度は上昇傾向にあります。
シアン中毒併発の可能性
 ネオニコチノイド中毒患者はしばしばシアン中毒(痙性麻痺など)を合併します。

しかし現時点では、アセタミプリドやチアクロプリドからどの程度のシアンが発生するかは不明です。
ネオニコチノイド中毒の発生時期
 有機リン剤の毒性が問題となり、それに代わるネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状(胸痛、胸部苦悶、動悸、
頭痛、吐き気、めまいなど)を訴える患者が増加しました。

それ以前の2004年にもネオニコチノイド剤が散布された時期には、患者の心電図における異常所見に、有機リン剤の散布時期と異なったパターンが見られました。
終わりに
 有機リン剤に代わり、ネオニコチノイド剤が広範かつ大量に使用されていますが、人体への毒性や生態系への影響(水中・土壌微生物相の破壊やハチ毒性)が明らかになってきています。

もちろん有機リン剤に戻ることは許されることではなく、今後は生物農薬などの代替農薬、有機無農薬での栽培へと移行するべきです。
 そのためには、①農産物のトレーサビリティの拡大と厳正化、②消費者や国、自治体による、有機無農薬や代替農薬で生産している農業従事者への多面的な支援,などを推進する必要があります。
     (報告:国民会議常任幹事 山田久美子


runより:化学物質過敏症の引きがねとしてネオニコチノイド農薬が脚光を浴びてきてます。その為化学物質過敏症のカテゴリーにしました。