神経伝達系への作用の観点から見た人体への影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
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・神経伝達系への作用の観点から見た人体への影響
東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師
 平 久美子
広まるネオニコチノイド系化合物
 近時、有機リン剤に代わって、ニコチン類似の構造式を持つ殺虫剤であるネオニコチノイド系化合物が大量に使用されています。日本では農業を始め、松喰い虫防除として林業に、建築分野では建材の防虫剤や床下シロアリ消毒として、あるいは家庭においてはペットのノミ取り剤など、広範な用途に用い
られています。ネオニコチノイドの中では、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリドなどが生産量の上位を占めていますが、これらの人体や生態系へのさまざまな有害性が明らかになってきています。
ネオニコチノイド中毒の特徴と原因
 中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、焦燥感、うつ症状などのほか、免疫系の異常によると考えられる、喘息、カポジ水疱様発疹症、皮膚真菌症、関節リウマチ、じんましん、風邪がこじれるなどの症状も多く見られます。
 日本におけるヒトのネオニコチノイド中毒の原因としては、果物の摂食によるものが最も多く、茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取もそれに次いで多くなっています。症状を訴え受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が多く見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈は消失します。
 わが国の農産物にかかるアセタミプリドの残留基準は、US基準の約4倍~最大25倍、EU基準の25倍~最大500倍(ブドウ、イチゴ、茶など)も緩い数値になっています。
ネオニコチノイドの殺虫剤としての特徴
 ネオニコチノイドは水溶性かつ浸透性であるため、葉や根から吸収され、植物全体にいきわたり蓄積します。そのため野菜や果物を洗ってもほとんど落ちることがなく、摂食と同時に人体に取り込まれてしまいます。
また、残効性があるため、撒いてから長期間、殺虫効果を発揮します。
 植物体内でやや代謝分解されますが、その代謝産物も毒性を持っています。ただし現在、日本ではこの代謝産物の追跡と分析は、定量分析に必要な標準
物質の入手が困難なため、技術的にかなり難しくなっています。