≪続編≫ 消えるミツバチ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・≪続編≫ 消えるミツバチ
広がるネオニコチノイド系農薬の被害
国民会議常任幹事  水野 玲子
ミツバチ被害は全都道府県の半分に
 欧米諸国でのミツバチ蜂群大量死(CCD)の発生から早10年、日本でも本格的にこの問題が広がり始めている

。前々回のニュースレター(57号2頁)に概要は記したが、事態の深刻さに気付いている人はまだ少数派だ。

今年の農水省調査では、すでに21の都道府県でミツバチの不足(2009.4時点)が報告されている。

だが、原因については、ダニ説、ウイルス説、農薬説、ミツバチストレス説、そしてこれらの複合説などが挙げられているものの、ヨーロッパ諸国でCCDの原因ではないかと禁止に追い込まれた肝心のネオニコチノイド系農薬問題からは、目がそらされている。

農水省で開催されているミツバチ問題の有識者会議の議事録を見れば、そこでの議論が、いかにミツバチの不足を補うかという需給バランス回復の問題に終始していることがわかる。

足りなければ、どこからか持ってくればよいという安易な発想がそこには垣間見られ、そもそも何がミツバチの大量死をもたらしたのか、といった疑問は伏せられたままである。

欧州での貴重な体験と対策、フランスやドイツなどで、国民の食と農業、生態系を守るために、ネオニコチノイドの早期禁止に踏み切った模範例があるにもかかわらず、日本はそこから予防原則を学ばずに、全国レベルでの被害拡大をまだ黙認し続けている。

新聞やネットなどで筆者が少し調べただけでも5頁のような状況であるのだから、実際の被害はさらに大きいことが予想される。
増える生産量と出荷量―水稲用の殺虫・殺菌剤として―
 日本の農薬使用量は近年減反の影響で減少傾向に
あるというものの、前述したように諸外国に比べて断トツ多い(単位面積あたり米国の7倍)。

2004年時点で、農薬生産量全体の約7割を殺虫剤と殺菌剤が占めている。そしてこれらの中で浸透性農薬のネオニコチノイド系、そして、新しい種類のフィプロニルが最近目立って多くなってきたことには注意を要する。

よく使用される殺虫殺菌剤(殺虫剤と殺菌剤の混合剤)の中でも、1999年には製剤生産量の上位5位の中で1種類のみネオニコチノイド系であったが、わずか5年後の2004年には、イミダクロプリド、クロチアニジン、そしてフィプロニルが製剤生産量の多い上位3種類に入っている。