環境省調査業務報告書平成14年度8 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3.電磁界に関する新たな研究、国際機関および諸外国の動向等に関する調査
3.1 新たな研究のレビュー
3.1.1 超低周波電磁界
1)はじめに
電磁界による健康影響について、2000年度報告書「電磁界の健康影響に関わる文献的検討」(日本環境協会)により、研究論文のレビューおよびメタアナリシスを行った結果をまとめた。

さらに、1999~2001年に報告された疫学研究及びレビューについては2001年度報告書「電磁界の健康影響に関わる最近の文献調査」(日本環境協会)にまとめた。本年度の文献調査研究では、それらの内容をふまえ、2001~2002年に報告された疫学研究及びレビューの内容を検討し、現段階における超低周波(商用周波数中心)電磁界曝露による健康影響の因果関係についての判断に関する検討を試みた。
2)方法
MEDLINEから、2001~2002年に発表された、電磁界(EMF : ElectroMagnetic Field)による健康影響に関する論文(1-16)を抽出した。

抽出にあたっては、わが国からの本調査研究にあった疫学論文の発表はなく、また、多くのPeer Reviewがなされる一定レベルのジャーナルが英語での掲載を行っていることのほか、便宜上の理由により、英語により発表された論文のみを採用した。

また2001~2002年に公表された、国際がん研究機関(IARC : International Agency for Research on Cancer)による電磁界の発がん性に関するモノグラフ(17)と、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP : International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)による電磁界と健康影響に関する疫学研究のレビュー(18)についても内容を検討した。

この2つの報告は類似した内容であったため、合わせてまとめることとした。
論文の着目疾患別内訳は、全白血病に関する4本(1,2,5,11)、全脳腫瘍に関する3本(2,6,16)、乳がんに関する5本(3,4,7,12,15)、その他の健康影響に関する6本(4,8-10,13,14)であった(重複あり)。
論文の研究方法別内訳は、後ろ向きコホート研究が4本(1-4)、症例対照研究が9本(5-13)、横断研究が1本(14)、記述疫学が1本(15)、レビューが1本(16)であった。
これらの論文については、著者、発表年、タイトル、着目疾患、研究方法について一覧にした(表1)。

また、掲載誌名・巻・号、研究目的、対象集団(対象論文)、電磁界の曝露評価、電磁界曝露との関連性、研究結果、および研究に対する評価・判断についてまとめた。