・早急に必要な「シックスクール」対策
このような中で、CS対策が行われる学校も出てきています。
三鷹市の私立明星学園小中学校では、2000年9月校舎建築時に室内空気汚染防止のために、室内木装化を進めました。
これは、保護者から、シックハウスを起こさない学校にして欲しいとの要望に応えて実施したものです。
その内容は、内装に防虫・防腐処理をしていない無垢材を使用、床は全てヒノキ間伐材で、接着剤にノンホルムアルデヒドを使用、塗料は水性塗料を使用、部屋の空気が、1時間に3回半外気と入れ替わる空調設備を設置したことなどです。
また、本年文科省は、全国50校の室内化学物質実態調査を踏まえ、「学校環境衛生の基準」の室内空気濃度の中に、ホルムアルデヒドなどを盛り込みました。
さらに、建築基準法が改正され、新たに次の2化学物質の規制が加わりました。
ホルムアルデヒド・・・換気率を改善、使用面積を規制
クロルピリホス・・・・使用禁止
しかし、室内濃度規制は実施されませんでした。
その理由は、「濃度は気象条件等で変わる」「測定にコストがかかる」というもので、校舎建築に関わる児童・生徒の安全性の観点は十分なものではありません。
今後、新たに建設や改修される校舎について、シックスクールを出さない為の対策の充実が求められています。
さらに問題なのは、現在の校舎への対策です。
先の「教室内化学物質濃度」に関わる文科省通知の速やかな実施と、指針以上(指針値以下なら安全とは言えないが)の値が出た場合には速やかに改修を行うことが必要です。