・▼原因特定に先立ち “予防原則”の適用を!
以上、簡単ではあるがネオニコチノイド系農薬問題をまとめてみた。
日本でこのまま対策も取らずに放置しておいて、本当に大丈夫なのだろうか。
稲を植える前に育苗箱に、そしてメロンなどの苗を植える穴にネオニコチノイドをまく。
すると根から“毒”が吸い取られ、近くにいた虫たちはきれいに根絶される。
かくして微生物の宝庫である大切な土壌から虫たちは消し去られ、私たちの食料生産がますます効率的になされる。
だが、ここまで徹底した虫たちへの攻撃を、私たちは本当に望んでいたのだろうか。
今日、さらに進化を遂げた新農薬、ネオニコチノイドが私たち人を含む生態系全体に及ぼすだろう影響は、まだ、だれにもはっきり分かっていない。
しかし、ここで忘れてはいけないことは、かつて多用された超残留性有機汚染物、DDTやデルドリンなどの有機塩素系の農薬も、実は毒劇法では劇物であり、そして、ネオニコチノイド系のイミダクロプリドもアセタミプリドもまた劇物に指定されているということだ。
また、イミダクロプリドは内分泌攪乱の可能性のある農薬のリスト(米国EPA 2009年)にも含まれている。
さらに、岩手県でミツバチの被害を引き起こしたダントツ(クロチアニジン)の水溶液の注意書きには、稲、バレイショに1000倍希釈で使用すること、2000倍希釈でも蚕やミツバチに影響ありと書いてある。
そこまで薄めなくてはならないほど危険な毒物を、農家の人たちが希釈倍数をきちんと守れる保証はいったいどこにあるというのだろうか。
虫の声も聞こえなくなり、とんぼもハチもすっかり消えてしまう世界、それが私たち人間にも悪影響を及ぼさないわけはない。
気づかないうちに、そのような世界がすでに日本各地で広がり始めているのかもしれない。
この実態解明とともに、フランス政府のように日本でも予防原則の適用がなされるように、みなさんと共に議論の輪を広げ、この農薬の使用中止を求めたいと思う。
runより:夏によく書いてましたが、今年は虫を見かけなかったんです。
蛾もハエも蚊もいない・・・危機感を感じてたのですが、やはりネオニコチノイドだろうか?