・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html
http://www.kokumin-kaigi.org/newsletter/newsletter_57.pdf
・「化学物質過敏症」で障害年金の給付を認定
国民会議常任幹事・CSチーム座長、新東京タワーを考える会共同代表
網代 太郎
化学物質過敏症の川崎市の女性(31)が国民年金の障害年金を申請し、2008年11月に支給が認められました。
化学物質過敏症は国がその存在をまだ認めていない病気ですが、社会保険労務士の小宮さんによると「以前は国が認めない病気では支給しない傾向もあったが、最近は、生活や労働に支障があるという実態が認められれば、支給する傾向になってきている」とのことです。
経済的に困っている発症者は、この制度の利用を検討してみても良いのではないかと思います。
申請者の女性は18歳だった1996年4月に新築注文住宅に入居し、同年7月からめまいや頭痛などの症状が出始め、8月に内科医に受診し「自律神経失調症かもしれない」と言われました。
その後他の内科でも精神的なものと言われ、整形外科や産婦人科にも受診しましたが、原因がハッキリしないまま症状は重くなる一方でした。
シックハウス症候群なのではと思い、2002年1月に北里研究所病院を受診して化学物質過敏症と診断されました。
一般的に化学物質過敏症の発症者は、農薬を使わない食材の入手、化学物質が少ない場所への転地・避難など、生活にコストがかかり、経済的にも苦しくなる場合が多いのですが、この女性も長野県の山中への避難などを余儀なくされていました。
◆「化学物質過敏症」で申請したい
このため07年6月、障害年金の受給について「NPO法人障害年金支援ネットワーク」に相談しました。
同ネットワークは、主として障害年金に関する電話相談に答えることを目的としている団体で、相談者からの要望があれば、障害年金の手続きを専門とする社会保険労務士の紹介も行っているとのことです。
そこで紹介された前記の小宮さんに、この女性は申請手続きの代理を依頼しました。
小宮さんは、この病名での認定例が全国でほとんどないことを知り、「化学物質過敏症よりも精神疾患などの病名で申請したほうが、認定を受けやすいかもしれない」とこの女性に言いましたが、この女性は「化学物質過敏症で申請したい」と断言しました。
そこで、08年8月に川崎市を通じ、高津社会保険事務所に「化学物質過敏症」の傷病名で申請し、同年11月に障害2級の裁定を受け、障害年金受給(月額約6万6000円)が決定されました。
なお、同ネットワークによると、化学物質過敏症での障害年金受給は、京都、横浜に次ぎ、全国で3例目です。
runより:この記事当時は化学物質過敏症は保険適用ではありませんでした。
2009年10月より保険適用されています。