・小学生なのに認知症?
A君もB君も診察に来たとき、3日分の食事内容を聞かれても1日分も答えられなかった、という証拠がカルテにファイルされていた。青山医師は問診で出来るだけ多くの情報を集めようとしている。
中でも食べ物は重要なので尋ねている。
昨日食べたものを思い出せないと言ったら、高齢者では即「認知症」と言われよう。これでは学習効果が上がるはずはない。それが、食べ物の指導とデトックス治療で本来の知能を取り戻せたのだから、私たちは深く考えてみなければならない。
A君にもB君にも兄弟がいて、その子たちにも少し問題があるという。
B君のお母さんは「この子の妊娠中はとくに体調が悪かった」と述懐していた。B君に問題が発生したのはそのせいかもしれないと考えているようだった。
なぜ体調が悪かったかが問題である。
以前から体調が悪いときは青山医院に連れてきてもらって点滴をしていたそうである。
その頻度が高かったということであろう。
この夫婦の住居の500m?1kmの地点まで山頂から山の斜面一面に松食い虫の農薬散布が毎年2回行われていたので、農薬で調子を崩していたと考えて青山医師は点滴をしていたのだろう。
小学校に上がる前の子どもたちの行動はどうだったか? 幼稚園時代は少し落ち着きのない子だった。
また、アトピー、ぜん息があった。症状が代わったのは3、4年前である。
青山医師は3、4年前というところに着目しているようである。すなわち、農薬の変化である。
果樹への農薬の散布で半年に20回も倒れた!
次に紹介された主婦の方は、1、2年ほど前に家を新築した。
その場所は夫の実家近くで周りは梨畑である。
それを夫の縁者が営農している。
果樹園に囲まれた家に暮らすようになって、半年前とつぜん倒れた。
そして青山医院に連れてきてもらった。
先生の娘さんと同い年で、運動能力の高い活発な女性だったという。それが、冬はなんともないのに4月から高血圧と心臓発作で20回も倒れたという。
後で近所の友人に聞くと、「どこそこで農薬を撒いていて辺りが霧の中にいる様に真っ白だった」とか告げられるのだという。
青山医師は、できるだけ自宅ではなく彼女の実家の方に行くように助言していた。
でも、主婦となればそうそう家を空けていることもできない。
だから先生も、「この春から果樹の実りまでどれほど散布があるか分からないが、どうにか切り抜けようね」と励ますしかないようだった。
果樹園の持ち主が分かっていても、倒れるというほどの被害があっても、「散布の前に知らせてほしい」とも「散布を止めて欲しい」とも何も言えないという。地域住民ではない私には理解しかねるが、これが日本社会の実態なのだ。
医者も看護師もたいへん! 患者の呼気でダメージ
患者さんが来て問診をし、点滴をする間中、患者さんの呼気から代謝された農薬が出続ける。
だから、敏感な人はそれで影響されてしまうという。
青山先生自体、そういう患者さんを診察、治療するときに自分用のデトックス薬を飲み続けながら行うこともあるという。
看護師さんも顔が真っ赤になってしまうが、それでも治療行為を止めて逃げ出すわけにはいかないといって続けるのだそうだ。
文字通り命がけだなあと思った。