原因 [編集]
骨髄の線維化は線維芽細胞の増殖によるものであるが、増殖している線維芽細胞は正常な細胞であり、その増殖は反応的な増殖と考えられている。
正常な線維芽細胞の異常な増殖の原因は異常な巨核球などの血球が産出するサイトカインによる刺激であると考えられているが[6]、異常な巨核球などの血球が発生する原因は不明である。
治療 [編集]
根本的な治療は骨髄移植などの同種造血幹細胞移植であるが、本症患者の平均年齢は高く、同種造血幹細胞移植の適応になりうる患者は少ない[3][4]。 また、若い患者であっても予後不良因子の少ない患者には適応しない。(予後不良因子については次節を参照のこと)
そのため、治療は合併症の管理が主体となる[3]。
貧血対策など血液所見の改善や脾腫の対策にはステロイドや化学療法(ハイドレア、エトポシドなど)も用いられるが、蛋白同化ホルモン(タナゾール)、メルファランやサリドマイドも有効であるとの報告がある[10]。
貧血や血小板減少が高度であれば輸血も行われる。
巨脾や脾梗塞による症状が強ければ、脾摘や脾臓への放射線治療もある[7]。
ただし脾摘や脾臓への放射線治療は貧血を憎悪させる可能性がある。
予後 [編集]
本症患者の診断後平均生存期間は5年[7]から10年[1]である。
主たる死因は感染症33%、白血化19%、心不全12%、脳血管障害11%の順である[4]。
予後不良因子としては(1)Hb 10g/dl未満の貧血、(2)発熱・発汗・体重減少などの症状の持続、(3)末梢血に1%以上の芽球の出現、(4)男性であることが挙げらるが、これらの予後不良因子を1つ以下しか有さない症例の10年生存率は84%、2つ以上有する症例では31%と報告されている[4]。
白血病への転化率は30%以下であるが転化した場合は予後不良である。