・無菌性骨壊死 :PSL30mg/day以上の大量投与でごく稀(多くとも5%以下)に起ることがある。
有効な治療法はなく早期発見、早期治療によって対処する。
根本的な防止法はなく、股関節や膝の痛みが認められたら関節のMRIをとり早期診断をし、治療としては安静、体重付加制限、アレンドロン酸投与といったものが一般的である、重症例では人工関節への置換術も検討される。
白内障、緑内障 :もともと軽度の白内障が認められたり眼圧が高い場合は注意が必要である。
両親のどちらかが緑内障の場合は発症のリスクが7倍になるとされている。
定期的な眼科受診行い、必要に応じて予防を行う。
精神障害 :軽い症状であることが多い。
治療を受ければ重症化することはまずない。ごく軽度なものを含めれば頻度は高く、PSL投与開始2週間で60%、6週間で90%が症状を示すとされている。
特に0.8mg/Kg以上で多いとされており、減量で改善する。
高血圧 :元来高血圧の人はより血圧が上がりやすい。
塩分制限を守り適切な降圧療法を受ける。
ステロイド筋症: 原病による安静でも筋力低下が起り易く、原病の回復とステロイドの減量で遅れて改善してくる。
長期作用型(フッ素基がある)のステロイドの長期投与で多いとされている。筋生検では炎症所見がなくtypeⅡ線維の委縮が認められる。
副腎不全 :原病が悪化したり、生命に危険が及ぶこともある。自己判断の減量は非常に危険である。
離脱症候群。
ニキビ様発疹、多毛症 :重症になることは殆どない。
皮膚を清潔に保つといった対応で十分である。
月経異常 :月経不順があるひとでは起ることがある。殆どがステロイド減量で改善する。
皮下出血、紫斑: 高齢者では起りやすい。皮下のみであり、脳血管など深部血管では起らない。
多飲、多尿 :軽度の場合が多い。
浮腫、低カリウム血症 :軽度の場合が多い。カリウムの低下が認められたら治療を受ける。また鉱質コルチコイド作用が弱いものに切り替えるのも効果的である。
その他
中心性肥満
低身長
異常脂肪沈着
野牛肩
皮膚線条、皮膚萎縮 - ステロイド皮膚症を参照
発汗異常
眼球突出
うっ血性心不全
不整脈
白血球増多
中枢神経興奮性亢進
味覚・嗅覚の低下
海綿体・陰茎・陰核亀頭の肥大